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「must」=「~しなければならない」=「have to」?
「must」と「have to」はどちらも「~しなければならない」という意味であると学校では教わったと思います。ですが、この2つの意味には微妙なニュアンスの違いがあります。今からその違いについてご紹介していきますので、しっかりと違いやそれぞれの使い方を覚えて「must」と「have to」の使い分けをマスターしましょう!
「must」と「have to」のニュアンスの違い
「must」は主観的な義務や命令
「must」の感覚・ニュアンスは、強めのプレッシャーを感じるような義務や命令形の文章で使われることが多く、自分の内側から出てくる「~しなければいけない」など、主観的なものや特別な義務感などに対して使われることが主にあります。強い気持ちや強いススメなどの場合もこちらが使われます。
例文
The movie was really fun! You must watch it!
あの映画すごく面白かったよ!あなたも観るべきだよ!
Really? Oh...but I must finish my homework by Sunday.
ホントに?あ、、、でも日曜までに宿題を終わらせなきゃいけないんだ。
○説明
一つ目の例文では、他人に何かを強くオススメしている形で「must」が使われています。
映画を見た本人はそれがすごく面白かったので、他の人も絶対に観るべきだよ!という主観的な気持ちからこのように強く勧めているのがわかりますね。
それに対して、二つ目の例文は義務感を表すmustの使い方です。オススメされた方の人物は「日曜までに宿題を終わらせないと、月曜の学校までに間に合わない」というような気持ち(義務感)があることをこの文章から想像できます。このように映画を観に行きたいけど宿題を終わらせないといけないという場合は、「must」を使って表現するのが適切です。
「have to」は客観的に求められる要求や必要性
次に「have to」の使い方やニュアンスですが、こちらは逆で「客観的に求められる必要性」などに対して使われることが多いです。一般的なルール、決まり、規則などには「have to」が用いられることが多く、簡単に言えば「だれもがそう思う」ものに対しては「have to」が使われるということですね。
We have to practice more for the next match.
次の試合のために、私たちはもっと練習をしなければならない。
You have to take your shoes off here.
ここで靴を脱がなければいけません。
○説明
1つ目の文章での使い方は、一般的に考えられる「練習不足であれば勝てる可能性が低い」という客観的な気持ちがバックグラウンドに隠されているため、「have to」を使い一般的に必要性があるという意味を表現しています。
そして2つ目の文章での使い方は、人がお家に遊びに来た時などに玄関で「ここで靴を脱いでください」と言うようなニュアンスに近い意味で「have to」を使う事が出来ます。ここで「must」を使ってしまうと「ここで絶対に靴を脱いで!」といった強い命令形のイメージや表現になってしまいますので、会話などでは特に注意をして使いましょう。
「must」と「have to」のニュアンスの違い
- 「must」は主観的、内側にある個人的な思いからくる命令や義務感
- 「have to」は客観的に求められる必要性
「must」と「have to」の違い ① 形の違い
「must」は現在形のみ「have to」は色々な形がある
「must」には「must」という形しかなく、過去形などは存在しません。
ですが、「have to」には過去形や未来形など時制によって形の変化があります。
I must attend the class today.
I have to attend the class today.
今日、授業に出席しなければならない。
この上の文章はどちらも「~しなければならない」という意味の文章になり、どちらも現在形ですね。
I had to attend the class yesterday.
昨日、授業に出席しなければならなかった。
このように、過去形にする場合は「had to (have to の過去形)」を使用します。
「must」に現在形しか存在しない理由は、「must」が「現在に対する気持ちや主張」であることからきています。
「must」と「have to」の形の違い
- 「must」は現在形のみ
- 「have to」は現在形、過去形、未来形など様々に形が変わる
「must」と「have to」の違い ② 否定文での違い
否定形になると意味が異なる「must」と「have to」
「must」と「have to」を否定形にして使うとき、2つの意味は大きく異なります。
You don't have to wear the uniform tomorrow.
明日は、制服を着ていなくても大丈夫です。
You must not to wear the uniform tomorrow.
明日は、制服を着てはいけません。
○説明
この場合「don't have to」の方の文章では、「制服を着なくてもいい」と制服の必要性を否定する意味になり、必ずしも制服を着なければいけないわけではないことがわかりますね。「must not」の方では制服を着るべきではないという意味を強く表し「着てはいけない」という意味になります。mustとhave toは、否定文になると意味に大きな違いがあるのがわかります。
「must」と「have to」の否定文での意味の違い
- 「must not」は「~してはならない」と禁止の意味になる
- 「don't have to」は「〜しなくてもよい」と必要性を否定する意味になる
おまけポイント|「have to」は三人称・単数形では形が変わる!
「have to」は「have(持つ)」という単語と同じように、主語によって「has to」と形が変わるのを忘れてはいけません。これはテストではケアレスミスのポイントになり、会話でもしっかり意識していないとうっかり間違えてしまうポイントです。
She has to study English for next exam.
彼女は次の試験の為に、英語の勉強をしなければならない。
Ken has to go to the supermarket.
ケンはスーパーに行かなければいけない。
このように主語が三人称・単数(She/He/It)の場合、「has to」に形が変化します。
単数の名詞(英語ではSinguler nounsと言います)も同様に形の変化があるので使うときには忘れずに注意して使いましょう。ちなみに否定文では、「dosen't have to」になるのも忘れやすいのでそちらも覚えておいてください。
違いまとめ|「must」と「have to」は=ではない!
いかがでしたでしょうか?「must」と「have to」の微妙なニュアンスの違いや使い方の違いがお分かりいただけたのではないでしょうか?これらをしっかりと理解できていることによって、文章や会話での微妙なニュアンスの違いを表現できるようになり、表現力がグンとあがります。最後に、この記事でご紹介した「must」と「have to」のポイントをまとめておきます。
「must」「have to」の違い まとめ
- 「must」は主観的・個人的な強い要求などに対して使われ、現在形のみ存在する。
- 「have to」は外側からくる客観的・一般的な考えの必要性があるものに対して使われ、時制による形の変化がある。
- 「must」と「have to」は否定形になると大きく意味が異なる。
Youtubeにも「must」と「have to」の違いを説明した様々な動画があり、その中から一つをピックアップしてみましたのでこちらも参考に見てみてくださいね。