英文暗記は英語力向上に繋がらない!?
英語学習者の方の中には、大量の英文をインプットして英語が話せるようになると思っている方がいますが、実は、英文暗記は効果的な英語学習法ではありません。
英語を話すのには、自分で伝えたいことを考える能力や、知っている単語や文法で文を作る速さなどが必要になりますが、英文の丸暗記ではこの能力は上がりません。
それでは英文暗記は全く必要がないのかと言うと、そういうわけでもありません。決まりきった表現やフレーズなど、例文暗記しておくほうが良いものもあり、暗記も一部必要な英語学習ではあるのです。また、スピーチやプレゼンなど、英文暗記せざるを得ないシーンに直面することもあると思います。
この記事では、英文を暗記する効率的な方法をご紹介していきます。英文暗記を英語学習に取り入れている方や、スピーチやプレゼンなどで英文を覚えなければならない方は、是非参考にしてみてください。
おすすめの英文暗記方法①:身近なものにリンクさせる
自分に全く関係のない英語を覚えるというのはなかなか難しいですよね。
She put off her appointment with him until tomorrow.
彼女は彼との約束を明日まで延期した。
これくらいの短い文章であれば、眺めてみたりノートに書いてみたりしてなんとか覚えれそうですが、すぐに忘れてしまうのではないでしょうか?
おすすめの暗記法1つ目は、自分の身の回りの人や物に置き換えて例文暗記するという方法です。
置き換え暗記法とは?
先程の例文を身近な人に置き換えてみます。
Mariko put off her appointment with Keita until tomorrow.
まりこはけいたとの約束を明日まで延期した。
自分の身の回りの人に変換するだけで、英文が頭に入ってきやすくなりませんか?全く自分と関連のなかった文章が、身近な人を登場させることで自分に関連のある文章になります。このように、英文をできるだけ自分に関連するものにリンクさせておくと、記憶に定着しやすくなります。
主語を全て「I」にして自分自身の例文に変えて覚えるという方法も効果的です。
おすすめの英文暗記方法②:ながら暗記
スピーチコンテストや会社のプレゼンなど、英語の長文を暗記しなくてはならない状況になることもあると思います。そんな時には、ながら暗記法が効果的です。
ながら暗記とは、文字通り、何かをしながら例文暗記をする暗記法です。いくつかやり方をご紹介するので、長文を暗記する必要がある方は試してみてください。
ながら暗記法
①歩きながら暗記法
ただ椅子に座って暗記をしていても頭が痛くなるだけです。少し体を動かすと脳が活性化され、暗記しやすくなります。動きながら暗記するといっても、脳が酸欠状態になるほどの過度な運動は、暗記効率を上げるには逆効果です。歩くぐらいが脳を活性化させるには丁度いい運動です。外に出なくても、部屋の中をぐるぐると歩くだけでも効果があります。
また、歩きながらの学習は眠気撃退にも効果があります。
②声出しながら暗記法
次にご紹介するのは声に出しながら例文暗記する暗記法です。声に出すことで、目からだけでなく耳からも英語の情報が入ってくるため、より記憶に残りやすくなります。先程の歩きながら暗記法と組み合わせて、声に出しながら歩きながら暗記すると、より覚えやすいです。そんなに大きな声を出す必要はありませんので、まずは小声でぼそぼそとつぶやくくらいから始めてみましょう。
③ジェスチャーしながら暗記法
スピーチコンテストでも会社のプレゼンでも、直立不動で話す人はいませんよね。自分の話す英文に合わせて多少はジェスチャーを入れながら話すと思います。そこで、このジェスチャーに合わせて練習しておくと、もし英文を忘れてしまった時でも、ジェスチャーによって内容を思い出すことができます。
スクリーンに映像を写す時の操作や指をさす動作、細かいところまで本番をイメージしながらジェスチャーと一緒にプレゼンの練習をしておきましょう。
④録音聞きながら暗記法
声出しながら暗記法で も説明しましたが、目だけでなく耳からも英語の情報を入れることは、例文暗記においてとても有効な方法です。音読する以外にもう一つ耳から覚える暗記方法があります。それは録音を聞くことです。
覚えたい英文を自分の声か、もし可能であればネイティブの声で録音し、それを何度も聞きます。ネイティブの録音音声であれば、更にそれを使ってシャドーイングまですると、発音も矯正されより効果的にスピーチの練習ができます。シャドーイングについては後ほど詳しくご説明します。
ながら暗記法まとめ
いかがだったでしょうか?一方向からだけではなく別の角度からも脳に刺激を与えることができる「ながら暗記法」は、脳を活性化させ、組み合わせ次第では集中力を高めることのできる効果的な暗記方法です。
おすすめの英文暗記方法③:CAも実践!シャドーイング
シャドーイングという英語のトレーニング方法を知っていますか?これはキャビンアテンダントの研修などでも使われている有名な英語の学習法で、最近では英会話教室でも積極的に取り入れられています。英語を影(シャドー)のように後ろからついてリピートしていくので、シャドーイングと呼ばれています。
シャドーイングは、リスニング力アップのためのトレーニングとして扱われることがほとんどですが、実は暗記方法としても効果的です。
シャドーイングで例文暗記
シャドーイングをするには、ネイティブスピーカーか、またはそれに準ずるレベルの正しい発音で録音された音声があるとベターです。リスニング力アップが目的ではないので自分の音声でも大丈夫ですが、できればより正しい発音であるに越したことはありません。
シャドーイングの方法はいくつかありますが、英文暗記の際に私がおすすめする方法は以下です。
- Step1.覚えたい英文を抑揚やアクセントに注意しながら耳が慣れるまで聞く
- Step2.英文を見ながらシャドーイングする(音声を2,3語遅れて発音する)
- Step3.何も見ないでシャドーイングする
好きな映画やドラマを使って最新フレーズを覚える!
少し話は変わりますが、流行っている言葉や若者の間で使われているフレーズも、暗記しておく方が効率的です。こういったものは自分の知っている単語や文法を使って英作文するということはできませんので、暗記してしまいましょう。
こういった言葉はどこから取り入れたら良いのでしょうか?
私のおすすめは、海外の映画やドラマです。
お気に入りの映画やドラマのヒロインたちが使っているセリフには、今まさにアメリカやイギリスで使われている最新フレーズが盛りだくさんで、これらを暗記しておけば留学に行った際などにも、聞いたことのないフレーズに驚くことはありません。
例えば、少し前若者の間で人気を博した「Gossip Girl」。最初のオープニングのセリフをみてみましょう。
英文:Who am I?
That's a secret I'll never tell.
XOXO Gossip Girl.
和訳: 私が誰だって?
それは絶対に言えないわ。
ハグ&キス ゴシップガール
この「That's a secret I'll never tell.」もフレーズとして知っておくと便利ですし、また「XOXO」の「X」はキス、「O」にはハグの意味があり、メールや手紙などでよく使われる言葉です。こういったフレーズや言葉は、海外の映画やドラマから取り入れて暗記しておくのが1番です。
また、ドラマの中では登場人物たちがお互いをイニシャルで呼び合いますが、実際の英語圏の女の子同士、親友の間では、Gossip Girlの影響で未だにイニシャルで呼び合う風習があります。
私達が、映画やドラマのセリフを引用して話すことがあるように、多くの外国人も自分の好きなドラマや映画からフレーズを取ってきて使うことがあるので、知っておくとニュアンスも汲み取りやすく話も通じやすいです。
好きなドラマや映画のセリフを覚えて、会話の中で使えるようになっておくと良いですね。
英文暗記法まとめ
英文暗記は、英語を話せるようになることにおいて効果的な勉強法ではありませんが、一部必要なトレーニングではあります。
例文暗記やフレーズ暗記だけでなく、スピーチやプレゼンなどで長い英文を暗記しなければならない状況もあるでしょう。そんなときには、是非今回ご紹介した暗記方法を試してみてください。きっと暗記スピードが上がるはずです。