英語の最上級表現とは?
みなさんは英語の最上級の使い方をしっかりと理解できていますか?最上級は、「最も〜である」や「一番〜である」という意味を表し、一見理解するのが簡単そうな文法ですよね。しかし、比較級との違いが明確でない人や、不規則な活用をする最上級の形が覚えられないという人は多いのではないでしょうか?
今回は、そんな英語の最上級について、比較級との違いから、「good」「bad」のような不規則な活用をする語についてまで、例文を交えて詳しく解説していきます。
最上級と比較級との違い
最上級の意味
最上級とは、3つ以上のものの中で「1番〜である」と表現するための文法です。例えば、「一番大きい、小さい」「一番速い、遅い」、「一番良い、悪い」など最上や最下を言い表す際に使います。
比較級との意味の違い
最上級は、ある特定のグループのなかで「一番~だ」、「最も~だ」と伝える表現ですが、それに対して比較級は、2つの性質や特徴を比べて、「〜より〜だ」と伝える表現です。そのため、比較級では「1番」という意味を表すことはできません。
例えば、3人の人物トム、ジミー、マイケルがいて、彼らの背の高さを比べたとしましょう。上の図について、比較級と最上級を使って3人の背について言い表すと以下のようになります。
比較級:
Jimmy is taller than Tom.
ジミーはトムより背が高い。
最上級:
Jimmy is the tallest in the three.
ジミーは3人の中で最も背が高い。
最上級の基本の形
最上級は、名詞を修飾する「形容詞」と動詞を修飾する「副詞」に用いられます。形容詞・副詞の元の形を原級といい、原級の語尾に「-est」をつけると最上級の形になります。これが1番基本的な最上級の形です。
tall→tallest
fast→fastest
また、「一番」というのは唯一の存在であるため、文中ではtheを伴います。
He is the tallest man.
This car is the fastest.
mostを使う最上級表現
形容詞によっては、「-est」を使って最上級を表せないものもあります。例えば、「expensive」は「expensivest」とは言えません。「expensive」は頭に「most」をつけて「most expensive」の形で最上級を表します。
✕ expensive→️expensivest
◯expensive→(the) most expensive
「-est」を付けるのか、「most」を付けるのかは単語によって異なります。辞書で調べると、その単語の最上級の形が載っていますが、わざわざ英語辞書で調べずともどちらを付けるのか判断できる方法はあります。「most」を使って最上級を作る形容詞・副詞の特徴をご紹介しておきます。
分詞形容詞
分詞形容詞とは、動詞が形容詞化して、形容詞として使われているものを言います。特に、「恐れる」「心配する」など人の感情を表す表現であることが多いです。「worried」「moving」などがそれにあたります。
例文:
This is the most moving film in the year.
これはこの年最も感動的な映画だ。
-ful -less -ish -ousなど接尾語がついているもの
「-ful」「-less」「-ish」「-ous」といった接尾語がついているものも、「most」を使って最上級を作ります。「useful」「useless」「selfish」「famous」などがそれにあたります。
例文:
Mr.Scrooge is the most selfish man in this town.
スクルージは町一番の利己的な人物だ。
3音節以上のもの
「elegant」(e/le/gant)のように3音節以上の単語は、「most」を付けて最上級を表します。
例文:
This ballgown looks most elegant.
このドレスが一番エレガントに見える。
「形容詞+-ly」の形の副詞
「quickly」のように、形容詞「quick」に「ly」を付けた形の副詞も、「most」を付けて最上級を表します。
例文:
Tom solved the math test most quickly in his class.
トムは彼のクラスの中で一番早く数学のテストを解いた。
例外
その他例外として、2音節の形容詞・副詞は「-est」「most」どちらも使用できることがあります。この場合は「most」を使うとやや格式張った表現となりますが、意味に違いはありません。また、「-est」と「most」を同時に使うことはありません。
不規則な活用をする最上級表現
「good」「bad」など一部の形容詞・副詞は、「-est」も「most」も使わず不規則な活用で最上級を表すものがあります。比較級の形と合わせて活用を覚えておきましょう。
原級 | 比較級 | 最上級 |
good/well | better | best |
bad/ill/badly | worse | worst |
many/much | more | most |
little(量) | less | least |
little(程度) | lesser | least |
far(距離) | farther | farthest |
far(進捗) | further | furthest |
late(時間) | later | latest |
late(順序) | latter | last |
最上級の疑問文
最後に、最上級の疑問文についても少しご紹介しておきます。疑問文になっても、原級のときと置かれる位置などに違いはありません。
原級での疑問文 | 最上級での疑問文 |
Who is a tall man? | Who is the tallest man in the three? |
Does this car run fast? | Does this car run the fastest? |
最上級の疑問文だからといって焦る必要はありませんね。
まとめ
今回は、英語の最上級表現について、その作り方や、比較級との意味の違い、疑問文についてまで、例文を交えてご説明してきました。
比較級と形や使われ方が似ているので少し混同してしまいがちですが、しっかり区別できるようにしておきましょう。また、「good」や「bad」のように不規則な活用をするものに関しては、ご紹介した表を使って活用を覚えておきましょう。
最上級まとめ
- 「一番〜である」という意味を表す
- 形容詞・副詞の原級+「-est」が基本の形
- 「most」を使って最上級を表すものもある
- 「good」「bad」など不規則な活用をするものもある
- 疑問文でも原級のときと位置など変わらない
参考文献:
・綿貫陽、宮川幸久、他、「第8章 比較」徹底例解ロイヤル英文法改定新版、旺文社、pp.347-354.