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英文の引用ってどうやるの?英語のレポートや論文での引用符の使い方をレクチャー!

この記事では、英語で学術的なレポートや論文を書く際の英文引用の方法や、参考文献の載せ方をご紹介します。複数ある論文スタイルの中から、今回は特に文学系の英語論文に採用される「MLAスタイル」をもとに、英文引用や参考文献目録について詳しく解説していきます。

もくじ

英語のレポートや論文における英文引用のルールとは?

英語で論文やレポートを書く際には、持論に説得力を持たせるため他の文章や事例を引用することがあります。ですが、この引用には使い方にいくつかルールがあるため、少々面倒くさいと思ってしまうことも。

しかし、このルールを守らずに引用を行ってしまうと、思わぬトラブルに発展しかねません。また、引用の使い方だけでなく、全体のスタイルも決まった形式で作成しなければ、正式な論文としては不十分です。

この記事では、英語のレポートや論文を執筆する際の引用の使い方や参考文献の表記方法について、MLAスタイルという論文形式に基づいてご紹介していきます。

おさえておきたいキーワード

スタイル:専門分野ごとに決められた、論文やレポートを書く際の形式。
フォーマット:スタイルを構成する要素。タイトルの書き方から、ページ余白や番号などの設定、段落の空け方、引用や参考文献の使い方などの一貫したルールを総合してフォーマットと呼ぶ。
work cite(citation):参考文献。referenceとも。
引用符:ダブルクォーテーションマーク(””)のこと。引用部やタイトルなど出典を明記するために使う。

英語のレポートや論文における英文引用のルールはなぜ必要?

引用ルールとトラブルのイメージです。(筆者作成)

他の文章や事例を引用する場合には、必ず引用のルールを守る必要があると前述しましたが、なぜ守る必要があるのでしょうか?

なぜルールを守る必要がある?

ルールを遵守していないレポートや論文は、「学術的に信頼できない」と評価されてしまったり、最悪「剽窃」と捉えられてしまいます。ルールを遵守することは、学術論文を書く上での筆者としての大きな責任です。トラブルを避けるためにも絶対に必要なことなのでしっかりと覚えておきましょう。

英語論文の書き方「MLAスタイル」とは?

文系論文スタイルの説明図です。(筆者作成)

英語でアカデミックライティングをする際の論文の形式を、「スタイル」と言います。その論文・レポートの分野が理系か文系か、あるいは文系の中でも人文科学なのか文学なのかなどによって、その分野専門のスタイルがあり、執筆する論文・レポートの分野ごとに、一貫して決まったスタイルを使用して書くことが求められます。ここでは、文学系の論文・レポートでよく使われるスタイルの一つである「MLAスタイル」についてご説明します。

「MLA」とは、「Modern Language Association」の略称で、文学系の学術的論文ではこのMLAスタイルが一般的に使用されます。国内外の大学・研究機関でも広く採用されている、国際的に正式な英語論文スタイルです。

MLAの公式サイト、マニュアルについて

MLAスタイルのフォーマットを正しく知るためには、公式サイトもしくはマニュアルをチェックすることです。

公式サイト:MLA Style Center

全て英語のサイトですが、正式なMLAスタイルを確認することができます。引用符の使い方など詳細な例とともに紹介されています。日本語でMLAスタイルを解説しているサイトはありますが、それらはあくまで公式ではないことに注意してください。

Home | Modern Language Association

Founded in 1883 by teachers and scholars, the Modern Language Association (MLA) promotes the study and teaching of language and literature.

公式マニュアル:MLA Handbook

こちらは、MLA公式サイトからペーパーバック、電子書籍で販売されており、日本語版もあります。学術的論文を頻繁に書くことがあるならば、一冊手元に置いておきたいですね。

MLA Handbook Eighth Edition | Modern Language Association

Founded in 1883 by teachers and scholars, the Modern Language Association (MLA) promotes the study and teaching of language and literature.

英語のレポートや論文における英文引用ルール

引用方法の説明図です。(筆者作成)

文中で引用を利用する際、使い方は2通りあります。

・引用部分をそのまま使う
・引用部分を自分の言葉で要約して使う

『不思議の国のアリス』(1866)の冒頭部分を使っていくつか例をみていきましょう。引用符ダブルクォーテーションマークの使い方に注目です。

言葉をそのまま使う英文引用

1行だけ引用

1行だけ本文中に入れて引用する形は、以下のようになります。

The beginning of Alice’s Adventure in the Wonderland is ”Alice was beginning to get very tired of sitting by her sister on the bank, and of having nothing to do:” (1)

・書名は文中のどこで現れても必ずイタリック体
・引用符ダブルクォーテーションマークで引用箇所を括る
・引用部のページ数を記載しカッコで括る

数行〜1段落程度引用

『不思議の国のアリス』の冒頭部分を引用してみましょう。

In the beginning, Carrol presented Alice as a curious girl:
   Alice was beginning to get very tired of sitting by her sister on the bank, and of having  nothing to do: once or twice she had peeped into the book her sister was reading, but it had no pictures or conversations in it, “and what is the use of a book,” thought Alice,  “without pictures or conversations?” .(1)

・本文の最後にコロン「:」をつけ、改行してから引用を始める
・引用部は段落を下げ、イタリック体にする
・引用した部分のページ数を最後に明記しカッコで括る
・独立させているため、引用符ダブルクォーテーションマークは不要

書籍中の章を引用

書籍の章を引用する場合、その章のタイトルをダブルクォーテーションマークで括ります。

In the beginning of “Down the Rabbit-Hole” in Alice’s Adventure in the Wonderland, Alice was sitting on the bank with her sister.

・章タイトルを引用符ダブルクォーテーションマークで括る
・書籍のタイトルはイタリック体にする

自分の言葉で要約する英文引用

そのままそっくり引用するのではなく、不要な部分を取り除いて要約して引用することもあります。

The opening of Carrol’s Alice’s Adventure in the Wonderland says that Alice was sitting with her sister on the bank (1).

・引用符ダブルクォーテーションマークは不要
・書籍のタイトルは斜体にする

・引用部のページ数を記載しカッコで括る

英語のレポートや論文における参考文献ルール

MLAスタイルを説明する図です。(筆者作成)

続いて、参考文献の書き方をご紹介します。学術論文の場合、参考文献目録は最終ページにつけ、「Works Cited」と書くのが一般的です。基本のフォーマットは上の9つの要素から成り立ちます。

書籍を参考にした場合

書籍のある章を直接参考にした場合の参考文献の書き方です。

Copeland, Edward. “Money.” The Cambridge Companion to Jane Austen, edited by Copeland and Juliet McMaster, Cambridge UP, 1997, pp. 131-48.
(筆者の姓、名.”直接引用した章のタイトル” 書籍のタイトル、編集者、発行元、発行年、ページ.)

一部に限らず書籍全体を参考にした場合、引用符ダブルクォーテーションマークで囲った章のタイトルは省略します。

デジタルソースの場合

最近では、アナログな書籍に加えてデジタルソースを参考文献として使用することも多くなりました。実際、あまりに急速に発達するためMLA自体試行錯誤しており、アナログな媒体に比べて形式が確立していません。しかし、可能な形で出典を明記することは求められています。各種媒体での参考文献目録の掲載方法について、みていきましょう。

インターネットから入手もしくは閲覧可能な論文、レポート

紙に印刷した文献ではなく、大学や研究機関の論文掲載サイトなどインターネット上の論文やレポート、記事などを参考にした場合には、参考文献にそのサイトのタイトル、URL、さらに可能であればその記事の掲載日と閲覧日を明記します。(引用例はMLA Style Centerより)

Lorensen, Jutta. “Between Image and Word, Color, and Time: Jacob Lawrence’s The Migration Series.” African American Review, vol. 40, no. 3, 2006, pp. 571-86. EBSCOHost, search.ebscohost.com/login.aspx?direct=true&db=f5h&AN=24093790&site=ehost-live.
(筆者の姓名. “記事や論文のタイトル”.記事や論文を掲載している出版物のタイトル, 版, 号, 出版年, 引用箇所のページ, 記事を提供しているサイト名, URL.)

動画

動画を参考文献にする場合、その動画のファイルの種類、フォーマットを「Video」「DVD」のように明記します。

“Curiosity Rover Report (August 2015): Three Years on Mars!” NASA’s Journey to Mars: Videos, edited by Sarah Roff, National Aeronautics and Space Administration, 30 July 2015, www.nasa.gov/topics/journeytomars/videos/index.html.

MLAスタイルに慣れるには?

ポイントをまとめた図です。(筆者作成)

ご紹介してきた通り、MLAスタイルだけでも引用や参考文献の書き方は1つではありません。参考文献だと、媒体の種類によって表記の方法は細かに決められています。参考文献が書籍なのか、他の論文やレポートなのか、あるいはインターネットのページなのか、各種ソースによって参考文献の書き方は異なります。最近は特に、DVDやインターネット上の動画などデジタルな情報が増えているだけに、それらに対応するルールが随時作られています。論文・レポートを書く際には、常に最新のスタイルを適用するのが基本です。

とは言え、こういった論文やレポートのスタイルは、初心者には複雑で難易度が高く感じるものです。自力で慣れるにはやはり練習が必要です。MLA公式サイトでは、練習用テンプレートを無料でダウンロードできるので、是非利用してみてください。

自動引用サイト

必要な情報を書き込めば自動でMLAの引用表記に変換してくれる便利なサイトもあるので、利用してみて下さい。

Citation Machine: Modern Language Association 8th Edition format citation generator for journal article

Citation Machine™ helps students and professionals properly credit the information that they use. Cite your journal article in Modern Language Association 8th edition format for free.

英語のレポートや論文における英文引用のルールまとめ

論文・レポートのイメージです。(筆者撮影)

いかがでしたか?今回の記事では、英語の論文やレポート執筆の際の引用と参考文献目録の書き方についてご紹介してきました。是非こちらの記事を参考に論文やレポートを作成してみてください。
 

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 Works Cited
・Carrol, Lewis. Alice’s Adventures in Wonderland, Macmillan and CO., 1866, p.1. Wikisource, https://en.wikisource.org/wiki/Alice%27s_Adventures_in_Wonderland_(1866)
“A Quick Guide” The MLA Style Center, 24 Dec. 2018. https://style.mla.org/works-cited-a-quick-guide-book/

Maho|監修者
カリキュラム責任者
慶應義塾大学文学部英米文学専攻卒。新卒で航空会社に入社し、CAとして国内線・国際線に3年間乗務。その後、海外で生活しながら本格的に英語を学びたいという想いから、夢だった大学院留学を決意。オーストラリアに渡り、応用言語学・英語教授法(TESOL)修士号を取得。株式会社プログリットで英語コンサルタントを経て、現在はカリキュラム責任者としてプログリットのカリキュラム開発を行う。

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