
岡田さん

ミランダ
えぇ、シンガポールではほとんどの人が英語を話せるわよ。ただ、シンガポールの英語は「シングリッシュ」と言って少し独特な英語だから、最初は戸惑うことがあるかもね。

岡田さん
そうなんですね!シングリッシュについて知りたいです!

ミランダ
OK!それじゃあ今日はシングリッシュについて、その独特な表現や発音を解説していくわよ!
シンガポール英語「シングリッシュ」とは?
シンガポールと言えば、マーライオンやマリーナベイサンズなどが有名ですが、実はシンガポールは、「シングリッシュ」と呼ばれるシンガポール独特の英語でも有名です。
シンガポールは他民族・多文化国家として知られており、古くから中華系、マレー系、インド系の人たちが混ざり合って暮らしていました。イギリスによって植民地化されたことにより英語が公用語の1つになりますが、多くの人が英語の他に、中国語、マレー語、タミール語などを母語として話していたため、それぞれの言い回しや発音が英語とミックスされて、シングリッシュと呼ばれる独特な英語が形成されました。
この記事では、シングリッシュの特徴や独特の表現についてご紹介していきます。
シンガポール英語に独特の表現
ここではシングリッシュに独特の表現を、単語と文法に分けてご紹介します。
シングリッシュ独特の単語
Alamak/あらま
○解説
日本語の「あらま」と発音が似ているため、日本語発祥の言葉かと思ってしまいそうですが、実はマレー語が発祥の言葉です。シンガポールの人は、何かあるとこの言葉を使います。使い方の例をみてみましょう。
シングリッシュ:Alamak! I forgot to bring an umbrella!
和訳:あらま!傘を持ってくるのを忘れたわ!
Chope/席を取る
○解説
シングリッシュでは、「chope」という単語が「席を取る」という動詞として使われます。シンガポール以外の英語圏では伝わらないので注意してください。
Tabao/お持ち帰り
○解説
レストランなどの注文時にお持ち帰りをお願いするときは「Tabao」と言います。例文をみてみましょう。
シングリッシュ:One chicken rice, tabao.
和訳:チキンライス1つ、お持ち帰りで。
Can/できるよ
○解説
シングリッシュは「can」の使い方が独特です。会話の中では、「can」一言で「いいよ」という意味を表し、時には2回続けて「can」を使うこともあります。また、最後に「can」をつけることで、「いいですか?」という意味を表すこともできます。
シングリッシュ:Can you help me?
和訳:手伝ってくれない?
シングリッシュ:Can, can!
和訳:もちろんいいよ!
シングリッシュ:Sorry, wait a while can?
和訳:すみません。少し待っていただいてもいいですか?
lah, lor, leh/だね
○解説
シングリッシュを聞いていると、語尾に「lah」という音が頻繁に入っていることに気がつきます。この言葉自体に特に意味はなく、日本語の「〜だね」と同じような感覚で使います。中国語の文末につく「了」から派生して、シングリッシュの語尾に「lah」や「leh」や「lor」がつくようになりました。
シングリッシュ独特の文法
シングリッシュはいろいろな言語の影響を受けているため、一般的に学校で習うような英語の文法とは違った文法が使われることがあります。ここでは、シングリッシュに独特の文法についてご紹介していきます。
主語を省略する
シングリッシュでは、話の流れで明らかに伝わる場合には主語を省略します。これは、中国語の影響を受けているためだと言われています。例えば以下のように主語のない文章がよく使われます。
シングリッシュ:Don't want that mango.
和訳:(私は)そのマンゴーはいらない。
「if」をつけない条件文
シングリッシュでは、条件文で「if」を省略することがあります。例えば以下のような文です。
シングリッシュ:You sit there, then where do I sit?
和訳:(もし)あなたがそこに座るなら、私はどこに座ったらいいの?
be動詞を省略する
シングリッシュでは「am」「 are」「 is」 などのbe動詞が省略されることがあります。ほとんどの場合意味は通じますが、一般的な英語を聞き慣れていると違和感を感じるかもしれません。この習慣も中国語の語順からきていると言われいます。例文を紹介します。
シングリッシュ:Today, I going shopping.
和訳:今日、買い物に行きます。
○解説
「I」と「going」の間に本来あるはずの「am」が省略されています。
シンガポール英語に独特の表記
シンガポールでは、公共の場にある英語表記も独特です。ここでは、シングリッシュ独特の表記をいくつかご紹介します。
Here cannot go in. / ここからは入れません。
○解説
本来は主語があるはずの「here」と「cannot」の間に主語がない、シングリッシュならではの表記です。一般的な英語では「you」を使って「Here you cannot go in.」とすることがほとんどです。
Come in, come in! / 入って、入って。
この表記はバスの入り口に書いてあることがあります。2回繰り返しているのがシングリッシュらしい表記です。
シンガポール英語に独特の発音
シンガポールではほとんどの人が英語を流暢に話しますが、その発音はアメリカ英語ともイギリス英語とも少し違った独特のものです。ここではシングリッシュの発音の特徴をご紹介します。
母音を伸ばす「r」を発音しない
シングリッシュの発音の特徴1つ目は、母音を伸ばす「r」を発音しないということです。これは英語で「non-rhotic」と呼ばれていて、例えば「hard」や「other」などの「r」を発音しないことを指します。これによって、「cart」と「cut」などは同じような発音に聞こえます。これはイギリス英語が由来の特徴となっています。
音節でとらえる
一般的に、日本語は音節でとらえる言語、英語は重点でとらえる言語だと言われています。その点でシングリッシュの発音は日本語に近く、それぞれの音節を同じ長さで発音します。例えば、「lavender」という単語をアメリカ英語で発音すると、最初の「ラ」を強調して「ラベンダー」のような発音になります。それに対してシングリッシュでは、「ラーベンーダー」のようにそれぞれの音節を同じくらいの長さで発音します。
シンガポール英語まとめ
この記事では、シンガポール英語「シングリッシュ」に独特の表現や表記、発音についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?シンガポールに行った際は、独特のシングリッシュに最初は戸惑うかもしれませんが、色々な種類の英語に触れるのはとても新鮮で楽しいですよ。
シンガポール英語に興味を持たれた方は、是非この機会にシングリッシュについて調べてみてください。
今度シンガポールに遊びに行こうと思っているのですが、シンガポールは英語が通じますよね?