
岡田さん

ミランダ
あら、素敵なお誘い!でもごめんなさい、今晩は旦那とアニバーサリーをお祝いするの。

岡田さん
そうなんですね、残念ですがまた次回!ところで、「アニバーサリー」とはどういう意味ですか?よくお店の広告で見かけるけど、実はよくわかっていないんですよね。

ミランダ
確かに英語と日本語ではその使い方が違うこともあるようね。それじゃあ今日は「アニバーサリーとは」というテーマで詳しく解説していくわ。
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今さら聞けない「アニバーサリー」って何?
企業やお店の広告などで「アニバーサリー」というカタカナ英語はよく目にします。しかし、英語の「アニバーサリー」について改めて考えてみると、なんとなくおめでたいイメージはあるものの、はっきりとした定義が思い浮かばない方もいらっしゃるのではないでしょうか。
実は、英語の「アニバーサリー」はお祝い事だけに使われる言葉ではありません。
この記事では、知っているようで知らない、英語の「アニバーサリー」について解説していきます。「よく耳にする言葉だけど、アニバーサリーとは実際どういう意味?」「よく聞く単語だからこそ、英語のアニバーサリーの意味と使い方をしっかり確認しておきたい」という方はぜひご一読ください。
「アニバーサリー」とは?①英語のスペル(つづり)
「アニバーサリー」の英語のスペルは、「anniversary」ですが、アルファベット11文字と少し長めです。ここでは、そんな「anniversary」を簡単に覚えられる方法をご紹介します。
スペル(つづり)の覚え方①英語の語源から連想する
オックスフォード英英辞典によると「アニバーサリー」の英語のつづりは、ラテン語で「年」という意味の「annus」と、「回る、…に向かって」という意味の「versus」が組み合わされた「anniversarius=returning yearly(一年ごとに戻る)」から来ています。
英語で「毎年の、例年の」という意味の「annual(アニュアル)」、その副詞形の「annually(アニュアリー)」も「annus」から派生した言葉です。この機会に併せて覚えてしまいましょう。
ラテン語の「annus」をそのまま使った言葉に「annus mirabilis(アナス・ミラービリス)」という言葉がありますが、これは「a year of extremely good events(素晴らしく良いことが起きた年)」という意味です。これをネイティブとの会話で使ったら、「おお、よく知ってるね!」なんて言われるかもしれません。
ケンブリッジ英英辞典でネイティブの発音を確認できます。
余談ですが、ラテン語により近い言語であるイタリア語の「一年」は「anno(アンノ)」、複数形だと「anni(アンニ)」と言います。
また、「versus」はよくゲームやプロレスでの対決時に「対」という意味で言う「バーサス」のことです。
語源を知ると連想ゲームのように知識が広がっていきますね。派生した言葉のスペルを覚えやすくなりますので、他の単語でもぜひ調べてみてください。
スペル(つづり)の覚え方②英語のスペルをローマ字読み
つづりを覚える方法の二つ目として、ローマ字読みがあります。つまり、「アニバーサリー」ではなく「アンニベルサリー」と覚えます。
ただし本来の発音を無視して覚えることになりますので、この方法は補助的な役割に留めておくことをおすすめします。
また、「R」を「L」と混同しないように留意しましょう。「anniversary」にはLが含まれていないことを認識しておけば、混同を避けられるでしょう。
スペル(つづり)の覚え方③英語のスペルを分解して物語を作ろう
つづりの覚え方の三つ目は、物語やイメージを作る方法です。
例えば「anniversary」を「anni」「ver」「sary」の3つに分けてみます。「anni」は「暗に」、「ver」を「バージョン」、「sary」を「インドのサリー」というイメージに置き換えると、「暗にバージョン変更したサリー」という物語を作ることができます。このように一見無意味で覚えにくいように思える英語のつづりでも、意味を持たせて映像で思い浮かべると記憶に残りやすくなります。
更に、「アニバーサリーとは、暗にバージョン変更したサリーで記念日」というイメージを脳内に定着させれば、単語の意味も一緒に覚えることができます。
本人にとって意味深い物語であればあるほど記憶に残りやすくなりますので、ぜひご自身の経験や既に覚えている英単語などを組み合わせて、印象深い物語を作ってみてください。
この方法はサイエンス社の書籍『グラフィック学習心理学―行動と認知―』でも、記憶法として有効であると述べられています。
始めのうちは物語を作るのに時間がかかり効率的でないと感じるかもしれませんが、後々まで記憶に残りやすいのがこの方法です。全ての単語に使用するのではなく、汎用性の高い単語、あるいは他の方法で覚えようとしてもなかなか覚えられない単語に使うと良いかもしれません。
「アニバーサリー」とは?②意味
次に「アニバーサリー」の意味を見ていきましょう。
「anniversary」の意味をオックスフォード英英辞典で調べてみると、以下のように定義されています。
The date on which an event took place or an institution was founded in a previous year.
The date on which a couple were married in a previous year.
また、ケンブリッジ英英辞典では以下のように定義されています。
A day when we remember or celebrate something important that happened on that day in a previous year
つまり、「一年の中で特別な事が起きた日、記念日」を意味します。
従って、アニバーサリーとは基本的には一年に一度巡ってくる日のことを指しています。しかし最近では、半年毎や月毎の記念日を指すこともあります。「アニバーサリー」とは?③使い方
次に、アニバーサリーの使い方をみていきましょう。
英語の「アニバーサリー」は、悲しい出来事にも使われる
日本では「アニバーサリー」と言うとお祝い事に使われ、祝うという行動そのものも含めて使われることも多いようです。
しかし英語ではもっとニュートラルに使われ、結婚記念日や会社創立日などのお祝い事はもちろん、例えばキング牧師の命日やニューヨーク同時多発テロが起きた日についても「anniversary」と言うことができます。
それでは例文を見てみましょう。
This year marks the 10th anniversary of his pro debut.
これはお祝い事についての例ですね。日本でもよく見られる使い方です。
次に、悲しい出来事について使われる例を二つご紹介します。
Fifty years after Martin Luther King was assassinated, the civil rights leader’s family and admirers were marking the anniversary of his death with marches, speeches and quiet reflection on Wednesday.
Hundreds of people, including families of 9/11 victims, survivors, politicians and local leaders will gather on the 9/11 Memorial for the 17th anniversary commemoration ceremony.
いかがでしょうか。これらは実際のウェブサイトより引用した英文です。
悲しい出来事に「アニバーサリー」を使うことがあることをお分かり頂けたかと思います。
「アニバーサリー」とは?④間違えやすい単語
「アニバーサリー」と混同しがちな言葉に、「コメモレーション」と「メモリアル」があります。この二つの単語、アニバーサリーとはどのように違うのでしょうか。
「commemoration(コメモレーション)」の意味と使い方
まず「commemoration(コメモレーション)」について意味を確認しましょう。
Something that is done to remember officially and give respect to a great person or event
「行われること」とありますので、「anniversary」が記念日、つまり「時」を指すのに対し、「commemoration」は祝ったり偲んだりといった「行動」を指すことがわかります。
下の例文を見ると「anniversary」と「commemoration」の違いがよくわかります。
In commemoration of the 50th Anniversary of Japan's Accession the OECD International Symposium
「commemoration」が「記念する」という動作、「anniversary」が「周年」を意味しています。
「memorial(メモリアル)」の意味と使い方
「memorial」は形容詞ですので、名詞である「anniversary」や「commemoration」と並べるのは不思議と感じられるかもしれません。しかし「a memorial service」を「a memorial」と略すことがありますので、今回は「memorial service」について意味と例文をご紹介します。
まず意味を見ていきましょう。
An event held to remember a person who has died
「亡くなった人物を偲ぶ」と特定されていますね。「memorial service」は告別式や追悼式、慰霊祭といった「行事」のことを指しています。
下の例文を見て理解を深めましょう。
Families of the victims of the devastating bombings yesterday wept for their loved ones at emotional memorial services that united them in grief at opposite sides of the world.
英語の「アニバーサリー」まとめ
この記事では「アニバーサリーとは」というテーマで解説してきましたが、いかがでしたでしょうか?
「アニバーサリー」が、思っていたよりも汎用性の高い単語であることをお分かりいただけたのではないでしょうか。また、普段から類似した意味の言葉と使い方をしっかり区別することを意識し、一緒に英語上級者の仲間入りを目指していきましょう!
アニバーサリーとは
- 「年」「回る」という意味のラテン語に由来する
- 「周年、記念日」を意味する
- お祝い事だけでなく、悲しい出来事にも使われる
- 「記念日」や「周年」という「時」を表す
参考文献:
山内光哉・春木豊編著『グラフィック学習心理学―行動と認知―』サイエンス社、2016、pp.234‐238
今晩学生時代の友人と集まるのですが、ミランダさんも一緒にいかがですか?