
岡田さん

ミランダ
「いただきます」と「ごちそうさま」は日本特有の表現だから、英語に訳すのは難しいわね。

岡田さん
そうなんですね!それじゃあ、英語では食事を始める時や終える時に何と言うんですか?

ミランダ
OK!それじゃあ今日は、「いただきます」や「ごちそうさま」に相当する英語表現を教えてあげるわ!
「いただきます」と「ごちそうさま」は日本特有の表現?
日本で食事の前後に使う「いただきます」と「ごちそうさま」。もはや無意識に口から出るくらい、私たちの生活には欠かせない言葉です。
しかしこれらの言葉は日本特有のものであり、「いただきます」と「ごちそうさま」をそのまま英語に訳すことはできません。
この記事では、「いただきます」と「ごちそうさま」に相当する英語表現をご紹介していきます。あわせて、この日本特有の言葉を海外の方に説明するときの英語表現もご紹介するので、是非ご覧ください。
英語で「いただきます」
まずは、食事を始めるときの英語のフレーズをいくつかご紹介しましょう。
英語フレーズ
食事を始める時には、食事をもてなす側が声をかけます。
英文:Food is ready!
和訳:お料理ができましたよ!
英文:Let's start!
和訳:さあ、食べ始めましょう!
英文:Enjoy!
和訳:召し上がれ!
英文:Help yourself.
和訳:遠慮なくどうぞ。
英文:Enjoy your meal!
和訳:どうぞ、召し上がれ!
「Enjoy your meal!」は、レストランでウエイターがお客様に食事を提供する時によく使われます。
英語で「ごちそうさま」
次に、食事を終えるときの英語フレーズをいくつかご紹介します。
英語フレーズ
食後は、食事をもてなされた側の方から声をかけます。
英文:Thank you for the food.
和訳:食事をどうもありがとう。
英文:I'm done.
和訳:ふ~、もうこれ以上食べられません。
英文:The food was very nice.
和訳:とても美味しかったです。
「food(食事)」の代わりに、「salad(サラダ)」や「dessert(デザート)」など特に気に入った一品を取り上げて褒めると、印象に残る食事だったことを相手に伝えることができます。また、以下のように具体的な質問をすると、調理した人に喜んでもらえて、会話も弾みます。
英文:How did you cook that stew?
和訳:あのシチューの作り方を教えてください。
「いただきます」と「ごちそうさま」を英語で説明しよう!
さて、「いただきます」と「ごちそうさま」は、日本特有の表現であることが分かりました。
では、これら日本特有の表現を外国人の方に英語で説明したい時には、何と言えばいいのでしょうか?
まずは、それぞれの言葉の意味を復習しておきましょう。
「いただきます」の意味
「いただきます」を漢字で書くと、「頂きます」です。「頂き」とは「頂上」のことで、物体の一番高い所を指します。
かつて神へのお供えを食すとき、「もったいない」と謙遜の念を持ち、かつ、尊敬の意を表して、そのお供えを頭上(=頂上の位置)に高く上げる仕草をしていました。その仕草を指して、「頂く」という言葉が生まれました。そして、「もらう」「食べる」「飲む」といった行為を敬う謙譲語になったのです。
英語の食前の言葉は、食事をふるまう人からふるまわれる人へ向けられることが多いですが、「いただきます」は、誰へ向けたどんな言葉なのでしょうか?
「いただきます」の意味には以下の2説があります。
①食べることで自分の命を与えてくれる、野菜、肉、魚、など、食材すべての命に対する感謝の言葉。
②食材を育てた人、食材を収穫した人、食事を作った人、つまり、食材が生まれてから食卓に上がるまでに関わった、すべての人々に対する感謝の言葉。
いずれにしても、感謝の言葉であることに変わりありません。
「ごちそうさま」の意味
「ごちそうさま」は、漢字で書くと「御馳走様」で、中央の「馳走」は、読んで字の如く「馳せ走る」ことです。
昔は、馬を走らせて食材を集めたそうです。食事の準備には、人も走りました。このような苦労を尊び、丁寧な気持ちを表す「御」と敬う気持ちを表す「様」で「馳走」を挟み、「御馳走様」となりました。美味しい料理を指す「御馳走」も、馳せ走って作った賜物という意味です。
現代は、馬の代わりに車があり、また、人が走らなくてもスーパーマーケットに行けば食材がずらりと並んでいます。しかしその陰には、食材の栽培または飼育、収穫、運搬、販売という人々の労力があり、その後、調理という過程を通って、やっと食事がテーブルに並びます。
「ごちそうさま」は、食材が生まれてからテーブルに並ぶまでに関わったすべての人々に対する感謝の言葉になります。
英語で説明してみよう!
英文: In Japanese culture, we say "Itadakimasu" before meals and "Gochisosama" after meals.
We are thankful for the lives of any kind of food ( vegetable, fish, cow, chicken, etc.) and those
who took care of the food, from farming, delivery, to cooking.
Because food is life.
和訳:日本には、食前に「いただきます」、食後に「ごちそうさま」と言う文化があります。
すべての食材の命と、その食材を育て、運搬し、調理した人々への感謝の言葉です。
食事をいただくことで、命をいただいているからです。
「食材の命」の補助説明として、「野菜、魚、牛、鶏など」を括弧でくくりました。そして、最後の英文は、「食べ物が無ければ生きることができない」という英文の言い回し「Food is life」を用いて、外国人の方がピンと来やすい説明にしています。
英語で「いただきます」と「ごちそうさま」まとめ
この記事では、「いただきます」「ごちそうさま」に相当する英語表現についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
日本では、家庭はもとより、幼稚園や小学校でも、食べることに関する躾が行き届いています。また、幼児期から食育が重んじられ、この2つの言葉が題名になっている絵本も多くあります。
小さな子が、手を合わせて「いただきます」「ごちそうさま」と言う姿、また、サラリーマンの方が1人で定食を召し上がる前に、「いただきます」と小さな声でおっしゃる姿、こうした光景も日本の文化なのかもしれません。
日本の料理だけでなく、このような日本人の食に対する感謝の気持ちも、世界の人々に知ってほしいですね。
英語で、「いただきます」と「ごちそうさま」って何て言うんですか?