
岡田さん

ミランダ
たしかに、インドネシアで英語が通じるのかはよく分からないわよね。ちなみに、インドネシア人が普段何語を話しているかは知ってる?

岡田さん
そういえば分かりません。インドネシアの公用語って何語なんですか?

ミランダ
それじゃあ今日は、そのあたりも含めてインドネシアの言語事情について見ていきましょう!
インドネシアで英語は通じるのか?
英語圏以外の国を訪れるとき、その国で英語がどれくらい伝わるのか気になることはありませんか?特に、最近旅行先として人気が高まっている東南アジアの国々の中には、そもそも何語が公用語なのか分からない国もあるのではないでしょうか。
今回は、東南アジアの国々の中でも特にインドネシアについて、英語がどれくらい通じるのかや、公用語についてご紹介していきます。
インドネシア人の英語力①英語教育
まず、インドネシアの英語教育についてご紹介します。
インドネシア人は英語教育に積極的
地域ごとに差はあるものの、インドネシアでは、英語教育が盛んに行われています。日本の小学校にあたる初等教育で英語を取り入れている学校が多く、多くの子供が学校で英語を習います。
近年では、英語教育の早期開始は母国語の習得に悪影響があるとの考えから、初等教育での英語授業が見直されてきているという一面もありますが、依然として、将来を見据えて幼少期から子どもに英語教育を受けさせたいと考える親は多いようです。
ただ、学校で英語を学んだからといって、すべての人が英語が話せるようになるわけではありません。学校では勉強したものの英会話ができないという人も少なからずいるようです。そのあたりの事情は、日本でも似たようなところがありますね。
インドネシアの英語教育についてもっと知りたいという方は、以下のリンクから文献をご確認ください。
データからみるインドネシア人の英語力
インドネシア人がどれくらい英語を話せるのか、もう少し具体的に見ていきましょう。ここでは、EF EPI英語能力指数を日本人と比較してみたいと思います。
EF EPI英語能力指数とは、グローバル教育機関であるEFが作成した世界中で受験可能な無料の英語試験「EF Standard English Test」の成績をもとに、国ごとの英語力をランキングにするために用いられているものです。
インドネシア人と日本人の英語力は同じくらい
上記のグラフは、日本とインドネシアの、過去5年間のEF EPI英語能力指数を比較しています。このデータから、日本人とインドネシア人の英語力はおおむね同程度と言えます。
ちなみに、直近の2018年のデータでは、インドネシアは平均51.58点で、ランキングに載っている88か国のうち51位です。日本は51.80点で49位ですので、日本人やインドネシア人の英語力は、世界の国の中で標準的、または少し低めですね。
日本でどれくらい英語が通じるかを想像すれば、インドネシア人とどれくらい英語で意思疎通がとれるか、イメージしやすいのではないでしょうか。
インドネシア人の英語力②都市別
では、実際のところ、インドネシアではどれくらい英語が通じるのでしょうか。ここでは、インドネシアで英語が通じやすい場所と通じにくい場所をご紹介します。
主要都市や観光客向けの施設では英語が通じる
インドネシアの中でも、ジャカルタ、ジョグジャカルタ、バリなど、ビジネスや観光で訪れる人が多い都市ではかなり英語が通じます。
特に、観光地のお土産屋さんや高級レストランなど、主に観光客を相手に営業を行っているお店では、基本的に英語が通じると考えてよさそうです。
先ほどご紹介したEF EPIの公式サイトには、都市・地域別の英語能力指数のデータも記載されています。興味のある方は、以下のサイトもご覧ください。
地方の都市では英語が通じないことも
一方、主要都市を離れると、英語が通じない地域が増えてきます。たとえば、インドネシア国内随一の名門大学、インドネシア大学のあるデポックという地域では、飲食店や小売店でも英語が通じないことがよくあります。
また、駅員や、バス・タクシーの運転手にも英語が通じないこともあるため、公共交通機関を利用して移動したい場合は、事前に路線や降りる駅の名前、目的地の住所などをしっかり確認しておくとよいでしょう。
インドネシア人の英語力③発音
インドネシアを旅行すると、英語が話せるインドネシア人が見つかったはいいものの、独特の発音で話されてしまい、何を言っているのか分かりづらいことがよくあるようです。これは、多くの場合、インドネシア人の特徴的な発音を知らないことが原因です。
ここでは、インドネシア人の発音の特徴をご紹介します。事前に発音の癖を知り、スムーズにインドネシア人の英語を理解できるようにしておくと、現地で困る可能性が少なくなります。
インドネシア人の英語発音の特徴
VがFになる
インドネシア人の英語の特徴として、「V」の発音が「F」のようになってしまうということがあります。インドネシア語の発音で英語を読んでしまっていることが原因なのですが、このことを知らずにインドネシア人の英語を聞くと、「V」の入った単語がまったく聞き取れないことがありますので注意しましょう。
EがUになる
また、インドネシア語では、一部の「E」が「U」の音になります。このため、英語を話すときにも、つい「E」を「U」と発音してしまうことがあります。
日本人がローマ字読みで発音した英語も、外国人には聞き取りにくいと言われることがありますが、同じように、インドネシア人の英語にも独特のインドネシア人なまりがあります。聞き取れないときは、ゆっくり話してもらい、頭の中で文字を置き換えて考えてみると良いかもしれませんね。
また、渡航前にYouTubeなどでインドネシア人の英語を聞いて、耳を慣らしておくのもおすすめです。以下に一例をご紹介しますが、「Indonesia English」や「Bahasa Inggris(インドネシア語で『英語』の意味)」と検索すれば、インドネシア人が英語を話している映像が他にもたくさん出てきます。
インドネシアの公用語
最後に、インドネシアの公用語についてご紹介します。
インドネシアの公用語はインドネシア語ですが、実はインドネシア人の多くがインドネシア語を母語としていません。
インドネシア語の歴史的背景
「公用語が母語じゃないって、どういうこと?」と疑問に思われるかもしれませんが、その原因は歴史的背景にあります。
かつて多民族国家のインドネシアでは、たくさんの異なる文化を持つ民族が、それぞれに自分たちの言語を使用して暮らしていました。しかし、異なるたくさんの言語が話されていると、当然、国をまとめるのは至難の業です。そこで、1928年に、スマトラ島などで話されていた言語をもとに、国の公用語が整備されました。
つまり、インドネシア語は国をまとめるためにできた公用語であって、生まれて最初に身につける母語ではないということです。
インドネシア語はインドネシア人にとっても第二言語
インドネシアでは、今でも地域ごとに異なる言語が用いられています。その中には、ジャワで話されているジャワ語のように8000万人以上が話す言語もあれば、少数民族の言語で、話者が少なく消滅しつつあるものまで、様々なものがあります。しかし、今でも多くの方がインドネシア語以外の言語を母語としています。
ただし、地域ごとの言語は、基本的にその地域でしか通じません。そのため、インドネシアの学校ではインドネシア語を必ず教えます。インドネシアの子どもは、公用語のインドネシア語を第二言語として習得します。
インドネシア政府の公式サイトには、言語以外にも、民族により異なる食文化などの紹介もあります。興味がある方は、下記リンクからご確認ください。
インドネシア語の基本表現
インドネシア人の母語は出身地域によって様々ですが、インドネシア語なら、ほとんどの地域の人が問題なく理解してくれます。英語が通じない場面があるかもしれないことも考え合わせると、インドネシアを訪れるときは、簡単なインドネシア語を覚えておくと安心です。
ここでは、インドネシアで役に立つインドネシア語表現をご紹介します。
インドネシア語 | 意味 |
Selamat pagi/siang/malam. (スラマット パギ/シアン/マラム) | おはようございます/こんにちは/こんばんは。 |
Terima kasih.(トゥリマ カシ) | ありがとう。 |
Maaf.(マーフ) | すみません(英語のsorryにあたる)。 |
Permisi.(ペルミシ) | 失礼します(英語のexcuse meにあたる)。 |
Ya.(ヤ) | はい。 |
Tidak.(ティダ) | いいえ。 |
インドネシアで英語は通じるのか?まとめ
この記事は、インドネシア人の英語力と、インドネシアの公用語について解説してきましたが、いかがだったでしょうか?
インドネシアでは、観光地などでは英語が通じる一方、地域によってはなかなか英語が話せる人が見つからないこともあります。インドネシアへ行かれる際は、英語だけでなく簡単なインドネシア語でも意思疎通ができるよう準備しておくことをおすすめします。
インドネシア人の英語力まとめ
- インドネシア人の英語力は日本人と同じくらい
- 主要都市や観光客がよく訪れる場所では英語が通じる
- インドネシア語の簡単な表現を覚えていくのがおすすめ
今度、友人とインドネシア旅行に行くことになったのですが、インドネシアで英語が通じるのかどうか分からなくて、少し不安です。