
岡田さん

ミランダ
そうね。「テクニック」という日本語はスキルとか手法とか、とても広い意味を持つから、そのシーンにあった英語表現を選ぶ必要があるわね。

岡田さん
そうなんですね。それぞれのシーンにあった英語表現を教えてもらえませんか?

ミランダ
もちろんよ!
テクニックの英語表現は「technique」だけではない
「テクニック」という言葉は、私たちの身近な様々なシーンに登場します。
サッカーやバスケットボール、ボクシング、カーレースなどスポーツの世界では、華麗なテクニックが観客を沸かせます。
絵画や音楽演奏のテクニックを見たり聞いたりすることで、私たちはリラックスすることができます。
読書やライティング、英会話などの仕事に必要なテクニックは、多くのサラリーマンが身につけたいと考えているテクニックでしょう。
このように、様々なシーンで使われる「テクニック」という言葉ですが、日本語の「テクニック」は、実はとても広い意味を持つ言葉です。学習や訓練によって身につく熟練の技術を指すこともあれば、やり方や手順、方法を指していることもあります。なかなか気付きにくいポイントやコツをテクニックと言って紹介している場合もあります。「テクニック」は英語の「technique」が由来の日本語ですが、日本語の「テクニック」は英語の「technique」にはない意味も持っているのです。
そのため、日本語であれば「テクニック」の一言で済みますが、英語に訳す時には「technique」だけではニュアンスが上手く伝わらないことがあります。日本語の「テクニック」を英語で正しく表現するには、どんなシーンで、どんな状況で「テクニック」という言葉が使われているのかを見て、ぴったり当てはまる英語を選ぶ必要があります。
この記事ではいろいろなシーンで使われる「テクニック」の意味を見ながら、英語の表現をいくつかご紹介していきます。
「テクニック」の英語表現①技術を示す時
「テクニック」という言葉は技術的なことを取り上げるシーンでよく使われます。技術は「technique」や「skill」という英語が使えます。例文で英語の表現を見てみましょう。
技術を示す「テクニック」の英語表現の例文
英文:He showed the various Judo techniques.
和訳:彼は多彩な柔道のテクニックを披露した。
英文:I'm learning basketball techniques.
和訳:私はバスケットボールのテクニックを学んでいるところだ。
英文:He has outstanding skills in business negotiations.
和訳:彼は抜群の交渉テクニックを持っている。
英文:I have been improved my skills since I was 20.
和訳:私は20歳の時からテクニックを磨いた。
◯説明
「technique」は専門的な技術を表す時に広く使われる英語です。ちなみに「technique」の発音はテクニークに近く、アクセントは「ニーク」の部分につけます。日本語のテクニックとは発音もアクセントも違うので注意が必要です。
「skill」は研究や訓練など努力して身につけた技能を指す英語です。
「テクニック」の英語表現②方法や手順を示す時
「テクニック」という言葉を方法という意味で使っている場合は「manner」や「method」という英語が使えます。手順という意味であれば「process」で表現するといいでしょう。では、例文を見てみましょう。
方法や手順を示す「テクニック」の英語表現
英文:His sales manner is unique.
和訳:彼の営業のテクニックは独特だ。
◯説明
方法という意味では「way」という英語が一般的ですが、独特だというニュアンスを表現するのであれば「manner」という英語が使えます。
英文:This is an Indian calculation method.
和訳:これがインド式の計算テクニックです。
◯説明
確立された方法という意味では「method」という英語が使えます。
英文:You use bad words. Learn basic sales process , again.
和訳:あなたは言葉使いが良くない。基本的な営業のテクニックからやり直しなさい。
◯説明
「procedure」は何かを行うための決まった手順を指します。目標を達成するための手順という意味では「process」を使うのがいいでしょう。
「テクニック」の英語表現③コツや注意点を示す時
技術を学んで練習を積んでもなかなか上達しないとしたらどうでしょう。この時に教えるテクニックは、コツとかヒントという意味ですから「knack」「key」という英語で表現できます。では、例文を見てみましょう。
コツや注意点を示す「テクニック」の英語表現の例文
英文:Let me show you dribbling knack.
和訳:ドリブルのテクニックを見せましょう。
◯説明
「knack」の代わりに「tip」という英語を使ってもいいでしょう。
英文:This is the key to discern the real thing.
和訳:これが本物を見分けるテクニックです。
◯説明
大事なポイントという意味であれば「key」の代わりに「important point」という英語を使ってもいいでしょう。
「テクニック」の英語表現④心構えを示す時
「翻訳のテクニック」というタイトルの記事がありました。「日本語を英語に翻訳する時に、日本語の表現を単純に英語の表現に置き換えるのは翻訳ではない。翻訳の前段階の読み取りが大事だ」というような内容です。
この場合の「テクニック」は、翻訳という仕事の考え方、心構えのことを指していると考えれば、英語の表現としては「mind」や「spirit」が合います。例文で詳しく見てみましょう。
心構えを示す「テクニック」の英語表現の例文
英文:This is not translation spirit.
和訳:これは本当の翻訳のテクニックではない。
真髄という意味で英語の「essence」を使うと以下の例文になります。
英文:You should learn the essence of translation.
和訳:翻訳の本当のテクニックを学ぶべきだ。
テクニックの英語表現まとめ
この記事では日本語の「テクニック」が使われるシーン別に英語表現をご紹介しましたが、いかがでしたか。
「テクニック」という日本語は、いろいろな英語で表現できることがお分りいただけたのではないかと思います。「テクニック」という言葉がどんなシーンで使われているのかを見て、ピッタリ合う英語の表現を選ぶことが大切です。
その際に、この記事でお示しした「技術、方法や手順、コツや注意点、心構え」の4つの観点から見ると、より適切な英語表現が見つけやすいかと思います。
また、わからない時は辞書で調べるようにすると語彙力もつきますのでおすすめです。中級者以上の方は英英辞典を活用するとよいでしょう。
この記事がみなさんの英語表現力を高める一助になれば幸いです。
日本語の「テクニック」を英語で「technique」と訳すと何かニュアンスがうまく伝わらない気がします。