
岡田さん

ミランダ
プログラムには英単語が使われているから英語力が心配というわけね。

岡田さん
そうなんです。それにどこから学べばいいのかもわかりません。

ミランダ
プログラミングの学習方法はいくつかあるから迷うわよね。それではまずプログラミングと英語の関係を見てから、プログラミング言語の学習方法も教えてあげるわ。
プログラミングに英語は必要?
書店にはたくさんのプログラミングの本があります。本の中で紹介されているサンプルのプログラムを見ると、英語のような文字がたくさん並んでいます。プログラムを初めて見る人は、プログラミングにはかなりの英語力が必要だと思うかもしれませんね。
ここではプログラミングにどのくらいの英語力が必要なのか、英語力があるとどんなメリットがあるのか、プログラミングと英語の関係を解説します。
プログラミングとは
まずは、プログラミングとはどういうものなのかや、プログラミングに使われる英語を簡単にご紹介します。
コンピューターとプログラミング
私たちの周りにはたくさんのコンピューターがあります。パソコンやスマートホン、外観からは分かりませんがテレビや洗濯機などの家電製品、自動車や産業用機械などにもマイクロコンピューターが組み込まれています。私たちが生活を便利に過ごす上で欠かせないコンピューターですが、コンピューターを動かすにはプログラムというものが必要です。
プログラムはコンピューターに何か仕事をさせる時の命令をまとめた指示書のことです。一つ一つの命令のことをソースコード、そしてプログラムを作ることをプログラミングとかプログラミングすると言います。
コンピューターはプログラムに従って動きます。コンピューターは電気信号があるかないかの状態しか理解できません。電気信号がある状態を1、電気信号がない状態を0として必要な命令のソースコードを書きます。この1と0で書かれたソースコードのことをマシン語と呼びます。
私たち人間が1と0のマシン語でプログラミングするのは大変な労力が必要です。そこで人間が理解しやすい言葉でプログラミングする方法が考えられました。それがプログラミング言語です。いまでは用途に応じてたくさんのプログラミング言語が開発されています。
それでは、プログラミングする時にどのような英語が使われるのかを実際に見てみましょう。
プログラミングの英語を見てみる
ここではWeb系のプログラミングの基本とも言えるHTML(Hyper Text Markup Language)という言語を見ていきましょう。HTMLはWebページを書くためのプログラミング言語です。毎日のようにWebページを見ている私たちにとって一番身近なプログラミング言語と言えます。今ご覧いただいているこの記事もHTMLで書かれています。
WebページのHTMLは以下の手順で簡単に見ることができるので試してみて下さい。
- Webページのどこか余白の部分を右クリックします。
- メニューが表示されます。
- メニューの「ページのソースを表示」をクリックします。
- 新しいタブにHTML言語のプログラムが表示されます。
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font-style | italic | font-size |
font-weight | head | link |
none | text-decoration | vertical-align |
どうでしょう。特別に難しい英単語はなさそうです。それに普通の英単語とは少し違うことが分かるでしょう。
次の項目でプログラミングと英語の関係を詳しく説明します。
プログラミングと英語の関係
HTMLのプログラムで見たように、プログラムには確かに英単語が使われていますが簡単な英単語です。プログラミングを始める段階では英語力は気にしなくても大丈夫です。
プログラミングの学習が進んで実務レベルになっていくと、英語力がある方が有利になります。
プログラミングと英語の関係を詳しくご説明します。
英語力がなくてもプログラミングはできる
プログラミング言語はコンピューターに指示を与えるためのものです。複雑な指示は、プログラミングする人間にとっても、プログラムを読んで処理するコンピューターにとっても不都合です。コンピュータへの指示は「○○○○を△△△△しろ」という簡単な命令形式で記述されます。
しかも一つの命令に対しては一つのソースコードだけが定められているので、いろいろな言い回しができる英語とは大きく違います。英語のように「Please~」をつけた方がいいだろうかとか、「Can you~」がいいだろうかなどと表現に悩む必要は全くありません。
ソースコードに使われている英単語は簡単なものばかりです。もし知らない英単語があったとしても、それは記号と同じですから英単語そのものの意味を詳しく調べたり覚えたりする必要はありません。どういう処理の時にどのように書くかという機能別のソースコードがすべて決まっているので、使う時に該当するソースコードを書き写していけば英単語そのものの意味を知らなくてもプログラミングすることはできます。
プログラミングを覚えるのに英語力が絶対に必要ということはありません。英語力が心配だという人も安心して学習を進めることができます。
英語力があればプログラミングは有利
それでは、プログラミングするのに英語力は役には立たないのでしょうか。いいえ、そんなことはありません。英語力があれば、プログラミングの習得段階でも実務段階に入ってからもとても有利です。
学習段階と実務段階それぞれでの英語力がある場合のメリットを見ていきましょう。
学習段階のメリット①
例えばソースコードに使われている英語に「class」と「array」という英単語があります。プログラミングの上では、普段使う英語とは違ってあまりなじみのない意味で使われます。英語力がある人であれば、英単語の語源やニュアンスなどからソースコードの意味を理解できるので、早く適切に使えるようになるでしょう。
学習段階のメリット②
プログラミングの学習を進めていくと、例えば「オブジェクト指向」というような概念の理解が必要になってきます。プログラミングのようなIT技術の情報は、多くはアメリカから発信されているものです。
日本国内で公開されている情報は英語から翻訳された情報が多くあります。カタカナ語ばかりだったり、日本語の意味が充分につかめないという場合には、Webサイトで英語の原文を探して見た方が理解が早いかもしれません。情報収集という点では英語力がある方が圧倒的に有利です。
学習段階のメリット③
ソースコードに関する学習が一通り済んだ後は、実用的なプログラムを組んで経験を積む学習に進んでいきます。実務レベルでの学習になるので、プログラミングに行き詰まって相談できる相手が欲しくなるかもしれません。そのような時に英語力があれば、国内の情報だけではなく、圧倒的に情報が多い海外の情報や英語版のQ&Aも利用できます。より早く最適な解決方法を見つけることができるでしょう。
実務段階のメリット①
一般的にプログラムを全て一から作らなければいけないということはそれほどありません。なぜかというと、よく使う機能のコードは、誰でも自由に使えるように公開されていることが多いからです。フレームワークやライブラリと呼ばれているもので誰でも自由に使うことができます。
プログラムを一から作るととても時間がかかりますが、すでにできているフレームワークやライブラリを利用できればプログラミングの時間は大幅に短縮できます。英語力があれば、必要としている機能のフレームワークやライブラリを海外の英語情報からも探すことができます。利用できるフレームワークやライブラリが増えるのでプログラムを楽に早く仕上げることができるでしょう。
実務段階のメリット②
プログラミングの仕事は、個人で請け負うにしても、企業で業務として行うにしても、英語力があればグローバルな顧客を相手にすることができます。プログラミングは、ただソースコードを並べるだけが仕事ではありません。プログラムを求めている相手が「どういうことを重視しているか」、「どういう機能を必要としているか」、「どういう機能は必要としていないか」といったことを事前に打ち合わせして確認することがとても大事です。打ち合わせの相手が日本人であれば問題はありませんが、外人相手であれば英語力が必要になります。グローバル化が進んでいることを考えると、これからは英語が得意と言えるかどうかはプログラミング力以上に重要になるでしょう。
プログラミング言語はどうやって学ぶ?
プログラミングの学習方法は、英語を学ぶ場合とそれほど違いはありません。大きく分けると、独学で学ぶ方法とプログラミングスクールで学ぶ方法の二つがあります。
それぞれの方法を詳しく見ていきましょう。
プログラミング言語を独学で学ぶ
プログラミングを独学で学ぶには、本で学ぶ方法とWebサイトで学ぶ方法があります。それぞれのメリットを見てみましょう。
本で学ぶメリット
本で学ぶ一番大きなメリットは、手元に置いていつでも手軽に参照できることです。本以外のもので学んだことも関連するページに書き込んでおけば、世界に一つだけのオリジナルの参考書ができあがります。
本は、コンピューターの基礎やプログラミングの歴史など周辺知識も含めて学べる基礎編のものから、実用的なプログラミングの技術を学べる応用編のものまで、広い範囲のものがあります。本の内容に疑問に思うことや理解できないことがあっても、簡単に問い合わせることはできないので、すぐに解決することができません。単独で利用するよりも、他の学習方法と併用する使い方がいいでしょう。
Webサイトで学ぶメリット
Webサイトで学ぶ方法のメリットは、手軽に学べることとコストパフォーマンスが優れていることでしょう。いつでも自分が好きな時に動画やイラストの説明を見ながら、実際にプログラミングをして、すぐに添削を受けることができます。多くの学習サイトが定額制で何種類でもプログラム言語を学べるようになっています。また、プログラミング言語の入門編を無料で提供し、有料版に進むことができる学習サイトがあるので、プログラミング言語がどんなものかを知りたいという人は試してみるといいでしょう。
プログラミング言語をスクールで教わる
プログラム言語をスクールで教わるには、通学とオンライン学習の二つの方法があります。それぞれのメリットを見てみましょう。
通学で教わる場合のメリット
通学制のプログラミングスクールは対面で学べるので、疑問に思ったことやプログラミングで困ったことをその場で質問して、すぐに解決できるという大きなメリットがあります。
学習が終了した後にプログラミングの仕事を紹介してくれたり、プログラミングをマスターしたという証明書を発行してくれたり、プログラマーとして活躍できるサポートを提供しているスクールもあります。
オンライン学習で教わる場合のメリット
プログラミングスクールの中には、インターネットの動画でオンライン学習を提供しているところもあります。わざわざ通学しなくても、いつでも好きな時に自分のペースで通学と同じカリキュラムの授業を受けることができます。仕事をしているサラリーマンや、地方に住んでいてスクールに通ってプログラミングを学びたいと思っている人にとっては、有効な選択肢でしょう。
英語とプログラミングを同時に学ぶ
英語力もプログラミング力も同時に身につけたい方は、プログラミングを英語で教えるスクールやプログラミング留学を利用する方法があります。
英語もプログラミングもどちらも社会のニーズが高いスキルです。両方のスキルがあれば就職や転職にとても有利になるでしょう。英語力を伸ばしながらプログラミングする技術を学ぶことができるので、英語やプログラミングだけに関心があるという人も検討してみるといいでしょう。
プログラミングに英語力は必要? まとめ
この記事では、プログラミングするのに英語力が必要かどうかや、プログラミング言語の学び方についてご紹介しましたが、いかがだったでしょうか。
プログラミングするのに英語力は絶対に必要ということはありませんが、英語力があればとても有利だということが分かりました。難しそうに見えるプログラミングですが、今回の記事を参考にしてプログラミングの学習を始めてみませんか。
プログラミングを覚えたいのですが、英語ができないと難しいでしょうか?