
岡田さん

ミランダ
そうですね。同じ「英語」といっても「イギリス英語」と「アメリカ英語」では、色々な違いがあるのよ。

岡田さん
具体的にどのような違いがあるか教えてください!

ミランダ
もちろんよ!今回は「イギリス英語」と「アメリカ英語」のそれぞれの違いを一覧で紹介しながら、どっちが簡単なのかも見ていきましょう!
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- 1イギリス英語とアメリカ英語はどっちが簡単?
- 1.1英語の歴史的背景
- 1.2イギリス英語とアメリカ英語、どっちが簡単?
- 2イギリス英語とアメリカ英語の違い①発音
- 2.1発音の違い①「r」の発音
- 2.2発音の違い②母音の発音
- 2.3 発音の違い③「t」の発音
- 2.4発音の違い③同じ単語で違う発音をする
- 3イギリス英語とアメリカ英語の違い②単語
- 3.1単語の違い①同じ意味で異なる単語を使う
- 3.2単語の違い②同じ単語で異なる意味になる
- 4イギリス英語とアメリカ英語の違い③スペル
- 4.1スペルの違い①語尾の違い
- 4.2スペルの違い②母音のスペル
- 4.3スペルの違い③その他
- 5イギリス英語とアメリカ英語の違い④文法
- 5.1文法の違い①「shall」と「will」
- 5.2文法の違い②過去形と過去完了
- 5.3文法の違い③「needn’t」 と 「don’t need to」
- 6イギリス英語とアメリカ英語の違い一覧 まとめ
イギリス英語とアメリカ英語はどっちが簡単?
私たち日本人が「英語」と聞いて自然と思い浮かべるのは「アメリカ英語」です。それは、アメリカ英語が日本人にとって最もなじみ深い英語だからです。学校で習う英語も、テレビや映画で見かける英語も、多くがアメリカ英語なのです。そもそも「イギリス英語」と聞いてもピンとこないという方も多いかもしれません。
そのためイギリス英語とアメリカ英語の違いについて詳しくご説明する前に、まずは少しだけ英語の歴史背景についてご紹介します。
英語の歴史的背景
英語は、もともとイギリスの言語です。17世紀頃にイギリス人がアメリカ大陸に上陸した際に、アメリカに英語が伝えられました。
イギリス英語とアメリカ英語の違いが初めて現れたのは、アメリカで最初の辞書が作成されたときです。辞書を作成した学者がアメリカの文化的独立を主張することを目的として、イギリス英語とは異なるスペルを用いたのです。
その後、アメリカへ初めて移住したイギリス人が「r」音をはっきりと発音する話し方だったため、その特徴が強く残り、現在のアメリカ英語の発音になりました。
一方、イギリスの上流階級では一般階級と自分たちを区別するために「r」音をあまり発音しない、特徴的な話し方をしていました。人々がその話し方に憧れ、マネをしたことで一般階級にも広がり、現在のイギリス英語として浸透しました。
イギリス英語とアメリカ英語、どっちが簡単?
イギリス英語とアメリカ英語は歴史的背景以外にも、それぞれの文化や近隣諸国などの影響を受け発展してきたため、それぞれに特徴があり、「どっちが簡単か」と一括りに判断するのは難しいでしょう。
ここからは、イギリス英語とアメリカ英語の発音・単語・スペル・文法の違いをご紹介しながら、それぞれどっちが習得しやすいのかについても見ていきます。
イギリス英語とアメリカ英語の違い①発音
イギリス英語はアメリカ英語と比較して「気取った英語」と見られることがよくあります。「気取っている」と表現される理由の一つとして、発音の違いが大きく影響しています。
ここでは、それぞれの発音の特徴についてご紹介します。
発音の違い①「r」の発音
英語の発音練習をする際、多くの日本人が「r」音を正しく発音できずに苦労していますよね。これは、アメリカ英語での発音方法です。一方、イギリス英語では「r」の音をあまり発音しないため、日本人にとってはイギリス英語の方が発音しやすいのではないでしょうか。
イギリス英語の発音 | 単語 | アメリカ英語の発音 |
イァ | ear | イァー |
エァ | air | エァー |
ゼア | there | ゼアー |
ウェア | where | ウェアー |
発音の違い②母音の発音
母音の発音方法もイギリス英語とアメリカ英語では大きく違います。
例えば「o」の発音。アメリカ英語では少し伸ばし気味で小さな「ァ」が混ざったような発音になる単語がありますが、イギリス英語では、ほぼカタカナ表記のままの発音になります。
イギリス英語の発音 | 単語 | アメリカ英語の発音 |
ジョブ | job | ジャァブ |
ボム | Bomb | ボァム |
発音の違い③「t」の発音
アメリカ英語では「t」音を発音せずに「ラ」に近い音で発音する単語が複数ありますが、イギリス英語ではしっかりと「t」音を発音します。こちらの違いについても、日本人にとってはイギリス英語の方が発音しやすいのではないでしょうか。
イギリス英語の発音 | 単語 | アメリカ英語の発音 |
ウォータァ | water | ウォーラァ |
ベタァ | better | ベラァ |
発音の違い③同じ単語で違う発音をする
発音の違いとして最も混乱しやすいのが「同じ単語なのに発音が全く異なるもの」です。
筆者はイギリス英語話者ですが、アメリカに旅行に行った際、サブウェイでサンドイッチを買おうとして「トマトを入れてください」と言ったら、何度言っても伝わらず、最終的に少し大げさなアメリカ英語の発音で言い直したところやっと通じた、という経験があります。
イギリス英語 | 単語 (意味) |
アメリカ英語 |
カーント | can’t | キャント |
シェジュール | schedule | スケジュール |
トマァトゥ | tomato | トメイトゥ |
ポタァトゥ | potato | ポティトゥ |
ヴィタミン | vitamin | ヴァィタミン |
イギリス英語とアメリカ英語の違い②単語
イギリス英語とアメリカ英語の単語の違いは、ネイティブ英語話者同士でもよく勘違いの原因になっています。日本人はアメリカ英語に慣れている分、イギリス英語を「分かりづらい」と感じるかもしれませんね。
では、イギリス英語とアメリカ英語の単語の違いについて見ていきましょう。
単語の違い①同じ意味で異なる単語を使う
まずは、同じものなのに全く異なる単語が使われているケースをご紹介します。
イギリス英語 | 単語の意味 | アメリカ英語 |
autumn | 秋 | fall |
flat | アパート、マンション | apartment |
lift | エレベーター | elevator |
university | 大学 | college |
rubber | 消しゴム | eraser |
holiday | 長期休み、休暇 | vacation |
jumper | セーター | sweater |
waistcoat | ベスト(スーツの中に着る) | vest |
trainers | スニーカー | sneakers |
aubergine | ナス | eggplant |
courgette | ズッキーニ | zucchini |
fizzy drink | 炭酸飲料 | soda |
underground / tube | 地下鉄 | subway |
queue | 列、並ぶ | line |
単語の違い②同じ単語で異なる意味になる
さらに、イギリス英語とアメリカ英語では同じ単語で異なる意味を指す単語も複数存在します。こちらは、先ほどの「同じ意味で異なる単語」よりもさらに勘違いが起こりやすいので、どっちの国の人と話すのかによって使い分けが必要です。
イギリス英語の意味 | 単語 | アメリカ英語の意味 | 補足 |
パンツ(下着) | pants | ズボン | イギリスでズボンは「trousers」 |
フライドポテト | chips | ポテトチップス | イギリスでポテトチップスは「chips」 アメリカでフライドポテトは「French fries」 |
サッカー | football | アメフト | イギリスでアメフトは「American Football」 |
2階 | first floor | 1階 | イギリスでは、地上階を「Ground floo」rと呼び、2階が「First floor」、3階が「Second floor・・・」と続きます |
イギリス英語とアメリカ英語の違い③スペル
スペルの違いにはいくつか規則性があります。必ずしも全てに当てはまるわけではないですが、代表的な例をいくつかご紹介します。
スペルの違い①語尾の違い
「-ence」 vs 「-ense」
イギリス英語 | 単語の意味 | アメリカ英語 |
defence | 防御、ディフェンス | defense |
offence | 攻撃、オフェンス | offense |
licence | 免許、資格 | license |
「-re」 vs 「-er」
イギリス英語 | 単語の意味 | アメリカ英語 |
metre | メートル | meter |
fibre | 繊維、ファイバー | fiber |
centre | 中心、センター | center |
「-ise」 vs 「-ize」
イギリス英語 | 単語の意味 | アメリカ英語 |
appetiser | 前菜 | appetizer |
familiarise | 慣れる、親しませる | familiarize |
organize | 整理する | organize |
「-l」 vs 「-ll」
イギリス英語 | 単語の意味 | アメリカ英語 |
enrol | 登録する、入会する | enroll |
fulfil | 満たす | fulfill |
skillful | 熟練した | skillfull |
「-ogue」 vs 「-og」
イギリス英語 | 単語の意味 | アメリカ英語 |
analogue | アナログ | analog |
monologue | モノローグ | monolog |
catalogue | カタログ | catalog |
スペルの違い②母音のスペル
「-ou-」 vs 「-o-」
イギリス英語 | 単語の意味 | アメリカ英語 |
colour | 色 | color |
behaviour | ふるまい、態度 | behavior |
mould | 型 | mold |
「-oe-」「-ae-」 vs 「-e-」
イギリス英語 | 単語の意味 | アメリカ英語 |
anaemia | 貧血 | anemia |
diarrhoea | 下痢 | diarrhea |
encyclopaedia | 百科事典 | encyclopedia |
「-ell-」 vs 「-el-」
イギリス英語 | 単語の意味 | アメリカ英語 |
cancelled | キャンセルした | canceled |
jeweller | 宝石商、宝石職人 | jeweler |
marvellous | すばらしい | marvelous |
スペルの違い③その他
イギリス英語 | 単語の意味 | アメリカ英語 |
cheque | 小切手 | check |
aeroplane | 飛行機 | airplane |
tyre | タイヤ | tire |
grey | グレー(色) | gray |
pyjamas | パジャマ | pajamas |
programme | プログラム、計画する | program |
mum | お母さん | mom |
イギリス英語とアメリカ英語の違い④文法
イギリス英語とアメリカ英語は同じ「英語」なので、文法に大きな違いがあるわけではありません。しかし、いくつか細かい違いが存在しますのでご紹介します。
文法の違い①「shall」と「will」
イギリス英語では、何かを提案する際に「shall」を用いる場合がありますが、アメリカ英語では同じ状況でも「will」を使う傾向にあります。
ドアは私が開けますよ。
イギリス英語:I shall open the door for you.
アメリカ英語:I will open the door for you.
※どっちも口頭では短縮して「I’ll open the door for you.」ということが多いです。
文法の違い②過去形と過去完了
動詞の過去形と過去完了にもイギリス英語とアメリカ英語で違いがあり、最も特徴的な単語が「got」です。
アメリカ英語では「get」の過去形は「got」過去完了形は「gotten」ですが、イギリス英語では過去形・過去完了形共に「got」を使用します。
背が伸びたね!
イギリス英語:You’ve got taller!
アメリカ英語:You’ve gotten taller!
文法の違い③「needn’t」 と 「don’t need to」
「〜をする必要がない」と表現する際に、イギリス英語・アメリカ英語共に「don’t need to」を使いますが、イギリス英語では「needn’t」のように「need」を助動詞的に使うことがあります。
心配する必要ないよ
イギリス英語:You needn't worry about anything.
アメリカ英語:You don’t need to worry about anything.
※イギリス英語ではどっちの言い回しも使います。
イギリス英語とアメリカ英語の違い一覧 まとめ
この記事では、イギリス英語とアメリカ英語の違いについて一覧でご紹介ましたが、いかがだったでしょうか?
同じ「英語」という言語でありながら、歴史的背景や近隣諸国、文化の影響をうけてそれぞれの特徴をもって発展をしてきた「イギリス英語」と「アメリカ英語」。発音・単語・スペル・文法と4つの要素において様々な違いがあり、それぞれになじみ深さや習得しやすさがあるので、人によってどっちがを簡単と感じるかは差があるかと思います。
イギリス英語とアメリカ英語、どっちの違いもそれぞれ理解できると、英語学習にもさらに深みがでて、旅行や映画を見るときなどにも、楽しみ方が変わってきますよ!是非活用してくださいね!
ミランダさん、「イギリス英語」と「アメリカ英語」ってよく聞きますが、どっちが簡単なんですか?