『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』と同じレベルの教材であり、1ページごとに同じ文型でトレーニングをしていきます。もっと『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』のような基本文型のトレーニングをしたいという方におすすめの一冊です。

岡田さん

ミランダ
『瞬間英作文』シリーズは、スピーキングの勉強法としてとても効果的な教材よ!英語を話せるようになりたい人にはまずやってほしい教材ね。

岡田さん
そうなんですね!!ちなみに、瞬間英作文ってどういう勉強法なんですか?

ミランダ
興味津々ね!それじゃあ今回は、瞬間英作文の正しいやり方や効果について紹介していくわ

岡田さん
ありがとうございます!
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- 1瞬間英作文は効果がない?
- 1.1瞬間英作文とは?
- 2瞬間英作文がスピーキング力アップに効果的な理由とは?
- 2.1英会話のプロセスとは?
- 2.2瞬間英作文がなぜ文章化の強化に効果的なのか?
- 2.3文章化するにはもう一つやり方がある!
- 3瞬間英作文の間違ったやり方
- 3.1間違ったやり方①:英文を暗記している
- 3.2間違ったやり方②:1周やり切って満足している
- 3.3間違ったやり方③:英語を声に出していない
- 4瞬間英作文の正しいやり方
- 4.1『瞬間英作文』(本)の使い方
- 4.2進めるペース
- 4.3目指すべきゴール
- 4.4注意点
- 5瞬間英作文を体験してみよう!
- 5.1例文①SV
- 5.2例文②SVC
- 5.3例文③SVO
- 5.4例文④SVOO
- 5.5例文⑤SVOC
- 6『瞬間英作文』シリーズの本
- 6.1どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
- 6.2スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング
- 6.3バンバン話すための瞬間英作文「基本動詞」トレーニング
- 6.4ポンポン話すための瞬間英作文パターン・プラクティス
- 6.5おかわり!どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
- 6.6おかわり!スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング
- 7瞬間英作文のアプリ
- 7.1苦手な文型を何度もトレーニングできる
- 7.2ポーズを5段階で設定できる
- 7.3シャッフルして再生できる
- 8瞬間英作文まとめ
瞬間英作文は効果がない?
みなさんは、『瞬間英作文』シリーズという英語教材をご存知ですか?
独特な味のある猫のイラストが特徴的な表紙の本を、英語学習者の方であれば一度は見かけたことがあるのではないでしょうか?
スピーキングのトレーニング教材として人気の瞬間英作文シリーズは、2020年時点でなんと6冊が出版されています。
確かに本屋などで見かけることが多いですが、果たしてこの本でおすすめされている「瞬間英作文」とは一体どのような勉強法なのでしょうか?
瞬間英作文とは?
瞬間英作文とは、中学レベルの簡単な文型の英文を、声に出してできるだけスピーディーに英語に訳していく勉強法です。
例えば、「彼にはいとこが何人いますか?」や「今、東京は何時なの?」といったごくごくシンプルな日本語を、ひたすら素早く英語に直していきます。
そんな簡単な英語でトレーニングして意味があるのか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、瞬間英作文は、スピーキング力の向上に本当に効果的な勉強法なんです。
この記事では、瞬間英作文がスピーキングのトレーニングとしておすすめな理由や、教材の効果的な使い方など、瞬間英作文について徹底的に解説していきます。
本屋で見かけて気になっていた方も、実際に使用したことがあるけど効果を実感できなかった方も、みなさま是非ご覧ください。
瞬間英作文がスピーキング力アップに効果的な理由とは?
瞬間英作文がなぜスピーキング力の向上に効果的な勉強法なのかをご説明する前に、まずは英会話のプロセスについてお話しておきます。
英会話のプロセスとは?
英会話は、大きく分けてリスニングとスピーキングの2ステップに分類されますが、応用言語学に基づいてそれぞれを細かく分解すると、以下の5つのステップに分けることができます。
リスニング
①音声知覚:耳でキャッチした英語の音を自分の知っている音に結びつける
②意味理解:音声知覚した音がどういう意味なのかを理解する
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スピーキング
①概念化:頭の中で言いたいことを考える
②文章化:概念化した内容を英語の文章にする
③音声化:文章化した英語を口から発音する
英会話ができないという方は、上記5つのステップのどこか1つまたはそれ以上で躓いており、それぞれどのステップで躓いているのかによって取るべき対策は大きく変わってきます。
ちなみに、スピーキングにおいては文章化で躓いている方が圧倒的に多く、この文章化を鍛える為のトレーニングが、瞬間英作文です。
瞬間英作文がなぜ文章化の強化に効果的なのか?
英文を話す際、自分の知っている単語と文法を組み合わせて文章をつくりますが、その過程において最も重要であり難しいのが、「知っている単語や文法を自分の頭から瞬時に引っ張ってくる」ことです。
いくらたくさんの単語や文法を覚えていても、瞬時に頭から引っ張ってくることができなければ英会話では役に立ちません。文章化においては、このスピードを鍛えることが最も重要です。
瞬間英作文は、先程もお伝えした通り、簡単な文型を使ってできるだけスピーディーに英文を作る勉強法です。このトレーニングを繰り返すことで、必要な単語や文型の情報を自分の頭から引っ張ってくる力を鍛えることができ、文章化スキルを向上させることができます。
「もっと難しい文型や単語を使って練習した方が良いのではないか」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは頭から英語の知識を引っ張り出すスピードを速めるためのトレーニングです。難しい英単語や文法を使って練習する必要はありません。
また、実際のネイティブの英会話においても、難しい文法が登場することは滅多にありません。ほとんどが中学校までで習った英文法でできています。英語を話す上では、簡単な文法を使いこなすことができれば十分ということですね。
このように瞬間英作文は、英会話で役に立つ実践的なスピーキングの勉強法となっているのです。
文章化するにはもう一つやり方がある!
英文は、自分の知っている単語と文法を組み合わせて文章化するのが一般的だとお伝えしましたが、実は文章化するにはもう一つ(ダメな)勉強法があります。
それは、例文暗記です。
英文の中には、自分の知識を使って英作するよりも、例文をそのまま丸暗記してしまった方が良いものが一部あります。例えばネイティブ独特の言い回しや決まり文句などは、自分の頭の中で作るものではないため、そのまま例文を暗記しておいたほうが効率的ですよね。
こう言うと、「独特の言い回しや決まり文句以外の文も、例文をたくさん覚えてしまった方が楽なんじゃない?」と思う方がいらっしゃるかもしれませんが、それは間違った勉強法です。
例文を300個覚えても300通りの文章しか作れませんが、単語を200個覚えて文法を100個覚えていれば、単純計算で2万通りの文章を作ることができますよね。つまり、暗記する例文の量をひたすら増やすというやり方は、とても非効率なんです。
文章化には「単語と文法を組み合わせるて英作する」方法と「例文暗記」の2つがあるものの、英語を話せるようになりたいのであれば、一部を除き前者のやり方がベターであるということを、是非知っておいてください。
瞬間英作文の間違ったやり方
ここまで瞬間英作文がなぜ効果的なのかをご説明してきましたが、「いやいや、瞬間英作文をやったけど効果なかったよ!」という方も中にはいらっしゃるかもしれません。
そういう方たちにお聞きしたいのが、「正しいやり方で行えていたのか?」ということです。当然ながら、いくら効果的な勉強法でも、やり方を間違っていてはスピーキング力を向上させることはできません。
ここでは、よくある間違ったやり方を3つご紹介します。瞬間英作文経験者で効果を実感できていない方は、当てはまるものがないか確認してみてください。
間違ったやり方①:英文を暗記している
瞬間英作文では、同じ文章を何度も繰り返し英語に直します。そのため、いつの間にか英文を覚えてしまい、それを口から出しているだけになってしまうことがあります。
しかし先程からお伝えしている通り、瞬間英作文は、自分の知っている単語や文法を頭から引っ張ってきて、素早く文章を組み立てるトレーニングです。暗記してしまっていては意味がありません。
何度も繰り返していると覚えてしまう気持ちはよく分かりますが、できるだけ文を組み立てるという意識を持って取り組むことが大切です。
間違ったやり方②:1周やり切って満足している
瞬間英作文は、掲載されている全文章を瞬時に英語に訳することができるようになることが重要ですが、本を1周やりきっただけでその状態になるのはほとんど不可能です。そのため、1周やり切っただけで満足している人は、その効果を得られることはありません。
瞬間的に和文を英文に変換できるようになるまで、ひたすら繰り返しましょう。目安として、8周を目標とすることをおすすめします。
間違ったやり方③:英語を声に出していない
頭の中で英作するのと声に出して英作するのとでは、難易度が全く異なります。
頭で考えているだけだと、細かい文法事項を曖昧なままにしてしまうことや、無意識のうちにミスをしていて気づかない可能性があります。
しかし英語を声に出すことで、細かいミスやしっかりと理解できていない部分に自分で気づくことができます。
また、声に出すことで、目からだけでなく耳からも情報が入ってくるため、より効果的に学習することができます。
したがって、瞬間英作文をする場合は、できる限り訳した英語を声に出すようにしましょう。
また、もし電車の中など声を出せない環境下でトレーニングする場合には、細かい点まで丁寧に英語に訳すということを意識するようにしましょう。
瞬間英作文の正しいやり方
先程の間違ったやり方を踏まえて、ここでは瞬間英作文の効果的なやり方を見ていきましょう!
『瞬間英作文』(本)の使い方
『瞬間英作文』シリーズの本を使ってトレーニングを行うときは、ページごとに以下のようなやり方で進めていきます。
①日本語を見て英訳してみる
②答えを見て文法や単語を理解する
③英文を見ながら3回音読する
④英文を隠し、日本語を見ながら、英訳を3回行う(英語は声に出す)
⑤1ページ(10センテンス)終わったら、全て通して日本語から英訳を行う(英語は声に出す)
進めるペース
1日で12ページほど進めることで、1週間で本1冊を終わらせることができます。
瞬間英作文は何度も繰り返すことで効果があるので、本を1冊終わらせて満足するのではなく、何度も同じ本に取り組むようにしましょう。
1週間で本1冊を1周、2ヶ月で8周やりきるペースで進めていくことで、大きくスピーキング力を伸ばすことができます。
目指すべきゴール
「和文を見たら、間髪入れずに話し始めて最後まで止まらずに(正確に早く)英作文できるようになる」レベルを目指しましょう。
注意点
瞬間英作文は例文暗記のトレーニングではないので、文法を意識して組み立てるようにしましょう。
瞬間英作文を体験してみよう!
ここまで瞬間英作文の使い方をご紹介してきましたが、やってみないことには少しイメージが付きづらいですよね。
実際に掲載されている文とは異なりますが、いくつか文型ごとに例文をご用意したので、是非トレーニングしてみてください!
例文①SV
和文:私はレストランで働いています。
英文:I work at a restaurant.
和文:彼女は微笑みました。
英文:She smiled.
例文②SVC
和文:彼女は今予定が空いています。
英文:She is available now.
和文:彼女はとても疲れているように見えました。
英文:She looked very tired.
例文③SVO
和文:その会社は提案を受け入れました。
英文:The company accepted the offer.
和文:私は昨日オンラインで注文をしました。
英文:I placed an order online yesterday.
例文④SVOO
和文:マネージャーがその書類を私に見せました。
英文:My manager showed me the document.
和文:彼にメールをしましたか?
英文:Did you send him an email?
例文⑤SVOC
和文:彼女は目を開けたままにしました。
英文:She kept her eyes open.
和文:それを英語で何と呼びますか?
英文:What do you call that in English?
どうでしたか?これだけ簡単な文章でも、スラスラ英作できなかった方が多いのではないでしょうか?このような簡単な文型を完璧に使いこなせるようになれば、スピーキング力はグンと上がりますよ!
『瞬間英作文』シリーズの本
『瞬間英作文』シリーズは現段階で6冊出版されていますが、最も定番のシリーズは、青の表紙でおなじみの『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』です。今回ご紹介した勉強法も、『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』をベースにお話しています。
ここでは、『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』を含め、瞬間英作文シリーズの本をご紹介していきます。ちなみに、全シリーズ音声CD付きです。
どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
中学1年〜3年レベルの易しい文型と語彙を使ってトレーニングができる教材です。まずは『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』から始めることをおすすめします。
付属のDL音声も、自分の発音などをチェックするのに便利です。
スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング
『どんどん話すための瞬間英作文トレーニング』では、項目ごとに同じ文型を使った文章が並んでいましたが、『スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング』では文型がシャッフルして配列されています。どの文型の例文かという情報なしに瞬間英作文のトレーニングをすることができるため、より応用的な内容となっています。
また、後半では、1つの文に複数の文型を使う例文が登場します。
バンバン話すための瞬間英作文「基本動詞」トレーニング
こちらは、基本動詞の使い方をマスターして、表現の拡大を目的とするシリーズです。基本文型の使い方をマスターした後、英語力の更なるレベルアップをしたい方におすすめです。
ポンポン話すための瞬間英作文パターン・プラクティス
『ポンポン話すための瞬間英作文パターン・プラクティス』は、連続的に英文を作り出すトレーニングが難しいという初心者の方におすすめのシリーズです。英文を作り出すための引き金となるようなヒントが用意されているため、初心者の方も挫折せずトレーニングを続けることができます。
おかわり!どんどん話すための瞬間英作文トレーニング
おかわり!スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング
『スラスラ話すための瞬間英作文シャッフルトレーニング』と同じレベルのものを、もっとたくさんトレーニングしたいという方におすすめの一冊です。
瞬間英作文のアプリ
瞬間英作文シリーズは、アプリでトレーニングすることも可能です。アプリでは、和文の音声が流れ、それをどんどん英作していきます。
本を持ち歩くのが面倒な方や、もっと気軽な勉強法が良いという方におすすめです。ここでは、アプリを使うメリットをいくつかご紹介しておきます。
苦手な文型を何度もトレーニングできる
アプリでは、苦手な文章にチェックをつけておくと、それだけまとめて復習することができます。
トレーニングをしていると、得意なパートと苦手なパートが必ずでてきます。チェック機能を使うと、苦手な文型がひと目で分かり、それらを繰り返し練習することができるため、より効果的な学習が可能になります。
ポーズを5段階で設定できる
アプリでは、和文と和文の音声の間隔を自由に設定することができます。
ゆっくり→ややゆっくり→ふつう→やや早い→早いの5段階があるので、徐々に音声が流れるまでの時間を短くしていくと、負荷をかけながらトレーニングすることができます。
シャッフルして再生できる
シャッフル再生を選択すると、和文が順不同で流れるようになります。より文章化の力を鍛えたいという方は、是非シャッフル再生を試してみて下さい。
瞬間英作文まとめ
この記事では、大人気英語教材『瞬間英作文』を使ったスピーキングの勉強法についてご紹介してきましたが、いかがだったでしょうか?
瞬間英作文はひたすら繰り返しのトレーニングであるため、継続するのが容易ではないですが、本気で「英語を話せるようになりたい!」と思うのであれば、是非毎日続けてみてください!
ただ、瞬間英作文は、文章化を鍛えるためのトレーニングです。そもそもスピーキングにおける課題がどこにあるのか分からないという方は、プログリットで無料の英語力診断を受けてみることをおすすめします。
英語力を上げる1番の近道は、まず現状の自分の課題を正しく知り、その課題にピンポイントに対策をしていくことです。スピーキングにおける課題に限らず、ご自身の英語における課題は何なのか、その課題を乗り越えるために必要なことは何なのかを知りたいという方は、是非一度プログリットのカウンセリングに行ってみてはいかがでしょうか?
参考文献:
岡田祥吾(2019)『英語学習2.0』角川書店
本屋に英語の教材を探しに行くと、必ずと言っていいほど『瞬間英作文』という教材を目にするんですが、そんなに人気なんですか?