英検合格のための効果的な単語の覚え方とは?
英検®は年間約386万人(※①)が志願する、日本で最もポピュラーな英語試験です。
高校や大学受験の優遇制度などもあり、志願者の中心は学生で、中高生の2018年度志願者数は296万人(※①)を越えました。
合格率は上位級になるほど下がり、2014年度は英検2級で25.1%、英検準1級で15.3%、英検1級は10.4%となっています(※②)。
多くの人が目指す英検合格ですが、その最初で最大の難関は語彙です。
英検の試験問題は身の回りの日常会話から、教養を深める社会的な題材まで、幅広い場面が想定された内容のため、上位級では、アカデミックな語彙が多く出題されます。
そのため、級が上がるほど、適切な語彙を学ばずして合格することはないと断言できます。
そこで、この記事では、高校生で初めて英検2級を受験して以来、自身も受験者として、また高校や私塾での英検指導に長年携わってきた経験から導き出した、英検合格のための効果的な単語の覚え方についてお伝えします。
英検合格レベルの語彙力を身に着けるための、基本的だけど灯台下暗しになりがちな、目からうろこの語彙強化方法です。是非ご活用ください!
※①2018年度実用英語検定、英検IBA,英検Jr.の志願者数の合算、公益財団法人日本英語検定協会HPより
※②JQOS.jp日本資格支援HPより
英検合格のための単語の覚え方①ベースとなる考え方
英検合格のための語彙力を身に付けるためには何が一番大切でしょうか。
高度な語彙力が必要な上位級になるほど下がる合格率は、語彙力を培う事の難しさを示しているのではないでしょうか。
では、語彙を増やす事はどうして難しいのでしょうか。
やると決めたことを続ける意志、がむしゃらな努力が足りないからでしょうか。
もちろん合格するという決意は必要です。ですが、やる気がなければそもそも、英検を受けようなどとは思わないですよね。
英検に関する記事を読んでいるということは、やる気があるという事です(Good Job!)。
その後、合格するかしないかの違いは、そのやる気をもって、試験日までの限られた時間の中、学びが習慣化しやすい環境を作り、無駄のない方法で、取り組むことができたかどうか、にあると思います。
まずは、学習を始める前のベースとなるこの2点に絞ってお話します。
学びが習慣化しやすい環境を整える
これは語彙学習には限りませんが、単調になりがちな語彙学習を続けるために特に大切なことです。
宿題やら仕事やら山積みの机に英検の参考書を加えても、更なる「やらなければならない(が、取りかかれない)こと」が増えるだけです。
英検に合格するときめたからには、英検に取り組むための環境を整えるのが先決です。
私は、仕事用の机とは別に、ダイニング横に英検の教材を置くスペースを作り、家事が終わった夜にそこで勉強することを習慣にしました。
スペースを作るのが難しい場合は、英検教材一式をファイルケースにまとめ、持ち運びできるようにして、図書館や自習スペースなどを利用するのも良いと思います。
ここでのポイントは、手の届きやすい場所に、英検のみに集中できる環境を作ることです。
無駄を省く
無駄を省くとは、言い換えれば、的を得た教材で的を得た学び方をするということです。
英検合格のためには、語彙本と過去問集、余力があれば、音読用教材を準備してください。
語彙暗記アプリも面白いものがありますので、すき間時間や気分転換に使う補助的なものとして取り入れると良いと思います。
語彙本に関しては、何冊も準備するよりも、1冊を徹底的に仕上げる方が、無駄がありません。
お薦めは適切なコロケーション(よく使われる単語の組み合わせ)が添えられたものです。
適切なコロケーションとは語呂が良く、内容がイメージしやすいものです。使用場面が少ない冗長な例文で語彙を学んでも、頭に入るのは日本語訳のみで肝心の表現が印象に残りません。
音読してみて歌いたくなるようなコロケーションが理想です。
どのような文章でその単語が使われるのかを理解し、文章のリズムを身に付けることで、英作文や二次面接にもつながる、使える語彙力が身に付きます。
以下にご紹介するのは、私も著者の一人として作成した語彙本です。英検2級〜1級をご受験する方は、是非手にとってみてください。
英検合格のための単語の覚え方②効果的な学習法
それでは、実際にどのように語彙学習を進めていくかをご提案します。
語彙学習で用意するのは、語彙本、ペン、音源(CD、スマホなど)です。
語彙本の学び方のポイントは3つです。
ポイント①繰り返す
語彙を増やすときに重要なのは、繰り返し語句に触れることです。
人間の脳は繰り返し与えられた情報を重要だと判断します。
1巡目、覚えられなかった語句にペンで印をつけましょう。
2巡目はペンで印の付いた語句を重点的に、それでも覚えられなければ、また印をつけて、という具合に、どんどん語彙本に書き込んでください。
イラストや図解などを書き込むと見直した時に一瞬で意味がイメージできます。
例えば、precious(貴重な)という見出しにダイヤモンド指輪の絵や「take turns~ing(交代で~する)」という見出しには双方向の矢印など、簡単で、自分がピンときたものです。
全ての見出しに添える必要はありません。覚えられない場合のみです。
そして覚えるまで何度も見直し、情報を書き加えて下さい。
先ほどの「precious」が覚えられなければ、次は宝箱の絵を書いてみたり、連想ゲーム風に思い浮かぶ語句(price, money, valueなど)を記してみたり。
面倒な作業に感じるかもしれませんが、「覚えよう、覚えよう(だって、覚えられないから)」と念じながら、ノートに綴りを書くよりも効率的な方法だと思います。
ポイント②音読する
そして英検語彙を増やす努力で忘れてはいけないのは、音読することです。
英検合格のためには4技能(リスニング、スピーキング、リーディング、ライティング)で使える語彙力にする必要があります。
読み方のわからない語句は発音記号で確認、発音記号が読めない場合は語彙本に付属の音源を用いて、読み方を確認してください。
カタカナで読み方をメモしても良いですが、かならず正しい発音を聞いて、それをまねて発音するようにしてください。コロケーション、例文は全て音読しながら覚えてください。
ポイント③相槌を打つ
あと1点、記憶を定着させる秘訣をお伝えします。
それは、語彙本の内容をしっかり理解して、その内容に関して感想を持つことです。
これは、日頃、皆さんが母国語で行っていることを英語でも実践するだけのことです。感想と言っても、心の中で相槌を打つ程度で十分です。例えば、
add text to an image(画像にテキストを加える)→「OK!」
an amazing discovery(驚異の発見)→「Wow!」
a famous music composer(有名な作曲家)→「ベートーベン!」
という具合です。相槌は英語である必要はありません。語句を与えられるだけでなく、その語句に自分で反応することで、語彙学習が能動的で楽しいものになります。
英検合格のための効果的な単語の覚え方 まとめ
この記事では、英検合格のための効果的な単語の覚え方についてご紹介しましたが、いかがでしょうか。
全て私が試してみて効果的だと感じた方法です。
単調になりがちな語彙学習を実りあるものにするには、「環境を整え、教材を効果的に使う」という当たり前のことを丁寧にするだけなのです。
英検は宝くじではありません。各級の合格レベルの語彙力があれば、必ずや合格を勝ち取ることでしょう。
この記事が少しでも皆さんの背中を押すことができれば大変嬉しく思います。吉報をお待ちしております!