
岡田さん

ミランダ
TOEFLとIELTSは料金や問題形式、難易度などに違いがたくさんあるわ。どっちを受験するべきかは人それぞれだから、しっかり事前に情報収集することが大切ね。

岡田さん
2つの試験には違いが多くあるんですね。もっと詳しく教えてもらってもいいですか?

ミランダ
それじゃあ今回は、TOEFLとIELTSの違いについて解説していくわ!
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- 1TOEFLとIELTSの違いとは?
- 2TOEFLとは?
- 3IELTSとは?
- 4TOEFLとIELTSの違い①:基本情報
- 4.1発祥の違い
- 4.2値段の違い
- 4.3スコアの違い
- 4.4スコア算出方法の違い
- 4.5試験形式の違い
- 5TOEFLとIELTSの違い②:問題形式
- 5.1TOEFLとIELTSの比較①:リーディング
- 5.2TOEFLとIELTSの比較②:リスニング
- 5.3TOEFLとIELTSの比較③:スピーキング
- 5.4TOEFLとIELTSの比較④:ライティング
- 6TOEFLとIELTSの違い③:難易度
- 6.1単語の難易度
- 6.2TOEFL/IELTSのスコアをTOEICスコアに換算すると?
- 6.3難易度が高いのはどっち?
- 7TOEFLとIELTS、どっちを受験する?
TOEFLとIELTSの違いとは?
TOEFL iBT®(以下TOEFL)とIELTSは、どちらも海外大学の進学や留学の際、出願要件としてよく使われる英語試験です。
海外大学へ進学や交換留学をする場合は、どちらかの試験のスコアが必要になることがほとんどですが、この2つにはどういった違いがあるのでしょうか?
こちらの記事では、試験の料金や問題形式、難易度など、TOEFLとIELTSの違いを比較していきます。
TOEFLとは?
TOEFLは正式名称をTOEFL iBT®テストといい、これは"Test of English as a Foreign Language, Internet-Based Testing"の頭文字をとったものです。
これは直訳すると「外国語としての英語のテスト」、すなわち英語を母国語としない人の英語力を測定するためのテストということになります。
また、"Internet-Based Testing"とあるように、基本的にパソコンを使い受験します。
よく似た試験にTOEFL ITP®テストもありますが、こちらは大学や企業などの団体向けの試験であり、海外留学の要件などで使えることはほとんどありません。
紛らわしいですが、間違えないようにしましょう。
IELTSとは?
IELTSとは"International English Language Testing System"の略であり、イギリスを中心に世界中で活用されている英語試験です。
試験にはアカデミック・モジュールとジェネラル・トレーニング・モジュールの2つの形式があり、海外留学の要件として使われるのはアカデミック・モジュールです。
ジェネラル・トレーニング・モジュールはイギリス移住の際の要件などに使われる試験ですので、海外留学を考えている方は、間違って受験しないようにしましょう。
TOEFLとIELTSの違い①:基本情報
まずは、2つの試験の基本情報についてご紹介します。
TOEFL |
IELTS |
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発祥 | アメリカ | イギリス |
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一つ一つの違いについて、詳しく説明していきます。
発祥の違い
TOEFLとIELTSでは、開発された国が違い、それにより主に使われている地域が異なります。TOEFLはアメリカ発祥のテストであり、そのためアメリカ留学を行う場合TOEFLが要件になっている場合が多いです。
それに対し、IELTSはイギリス発祥のテストであるため、ヨーロッパやオーストラリアではIELTSの方がメジャーです。
ただし、TOEFLとIELTSの両方を留学の条件として認めている大学も多くあるため、アメリカの大学に行くからと言って必ずしもTOEFLスコアが必須になるというわけではありません。
自分が留学したいと考えている国や大学の要件を、事前にしっかりとチェックするようにしましょう。
また、それぞれの試験の発祥国によって、使われる英語のアクセントも違います。
アメリカ発祥のTOEFLでは主にアメリカ英語、イギリス発祥のIELTSではイギリス英語で主に出題がされますので、特にIELTSを受験する場合は、イギリス英語のアクセントやスペリングに慣れておくようにしましょう(とはいえ、ライティングやスピーキングでアメリカ英語を使ったからと言って、減点されることはありません)。
値段の違い
値段という面では、TOEFLとIELTSに大きな違いはありません。TOEFLの受験料金が235ドル(1ドル=110円の場合、25,850円)に対し、IELTSの受験料金は25,380円となっています。
TOEFLの受験料金はその時の為替レートにより多少上下しますが、IELTSの受験料金とほぼ同じ値段となっています。
スコアの違い
どっちの試験も読む・聞く・書く・話すの4技能をバランスよくテストする試験となっており、満点はTOEFLが120点満点、IELTSが9.0点満点となっています。
海外留学を考えている場合、TOEFLでは70~90点、IELTSでは5.5~6.5程度のスコアが求められることが多いです(大学院、MBAへの留学や海外の名門大学に留学する場合は、さらに高いスコアが求められます)。
スコア算出方法の違い
TOEFLとIELTSでは、スコアの算出方法にも違いがあります。
TOEFLでは各セクションごとの得点を合計した点数がそのまま総合スコアとなりますが、IELTSでは各セクションの点数を平均し総合スコアを算出します。
また総合スコアの換算方法も少し複雑であり、セクションごとのスコアを平均した後、x.0点またはx.5点のどちらかに四捨五入して総合スコアが決まります。
例:
各スコアの平均点=6.0点 → 総合スコア=6.0点
各スコアの平均点=6.125点 → 総合スコア=6.0点
各スコアの平均点=6.25点 → 総合スコア=6.5点
各スコアの平均点=6.375点 → 総合スコア=6.5点
試験形式の違い
大きな違いは、TOEFLがスピーキングテスト含めすべてパソコンを使用して受ける試験であるのに対し、IELTSはペーパーテストや対面でのスピーキングテストも行われるという点です。
そのため、普段からパソコンの操作やタイピングになれていない人は、TOEFLの試験形式に戸惑いを感じるかもしれません。
IELTSはパソコン上で試験を受けるかペーパーテストを受けるかを、選択することができます。ただし、どっちの場合もスピーキングテストは、試験官と対面形式で行うことになります。
各テストについてより詳しく知りたい方は、下の記事をご覧ください。
TOEFLとIELTSの違い②:問題形式
ここでは、TOEFLとIELTSの問題形式の違いを、リーディング、リスニング、スピーキング、ライティングの各セクションごとに比較していきます。
実際に試験を受験する方は、ぜひ参考にしてください。
TOEFLとIELTSの比較①:リーディング
TOEFL | IELTS | |
制限時間 | 60~100分 | 60分 |
パッセージ数 | 3~5 | 3 |
問題数 | 36~70問 | 40問 |
問題形式 | 選択問題 | 選択問題、穴埋め問題など |
TOEFLのリーディングセクションでは、3つ~5つの文章を60~100分の制限時間の中で読み、問題に答えます。
それに対しIELTSでは、3つの文章を60分で読んでいきます。
そのため、一つの文章にかけられる時間はほぼ同じであり、文章のボリュームもIELTSのほうがやや長い程度です。
文章の内容はどちらも歴史や人文学、自然科学についてなど、アカデミックな内容が多いです。
ただし、どっちかというとTOEFLのほうがより専門的な内容に近く、IELTSのほうが大衆的な文章が出題されることが多いです。
そのため、文の読みやすさを比較した場合、IELTSのほうが読みやすいと感じる人が多いようです。
その一方、問題を解いていく中ではIELTSのほうが、文章の隅々までしっかりと内容を理解することが求められます。
したがって、どっちが難しいかは人それぞれと言えるでしょう。
TOEFLとIELTSの比較②:リスニング
TOEFL | IELTS | |
制限時間 | 41~57分 | 40分 |
問題数 | 28~39問 | 40問 |
問題形式 |
講義形式問題 |
セクション1(10問):日常生活における2人の人物による会話 セクション2(10問):日常生活におけるモノローグ セクション3(10問):教育や研修現場での4人以内の会話 セクション4(10問):学術的テーマに関するモノローグ |
TOEFLのリスニングセクションでは、40~60分程度の時間で30~40問の問題を解いていきます。
一方、IELTSでは40分間で40問を解いていきます。
そのため、1問あたりで換算するとIELTSのほうが少し時間が少ないです。
内容としては、TOEFLでは主に大学のキャンパス内で行われるような日常会話や大学の講義をもとに出題されます。
特に講義をもとにした出題では専門的なトピックが多く、事前の知識がないと何の話をしているのかさっぱりわからないということもあると思います。
IELTSではより幅広く、大学での講義やディスカッションから、ホテルの予約や友人との会話のような日常的なトピックまで出題されます。
したがって、トピックが幅広い分IELTSのほうが対策が難しいといえます。
また、TOEFLではどちらかというと話の全体的な内容について問われることが多いのに対し、IELTSでは単語一つ一つをしっかりと聞き取り、それを書いて答えることが多いです。
そのため、IELTSでは細かい点まで聞き取るリスニング力と、解答のスペルを間違えない単語力が求められます。
また、細かい違いではありますが、TOEFLではヘッドホンを使ってリスニング試験を行うのに対し、IELTSのペーパーテストでは会場に設置されたスピーカーから音声が流れてきます。
IELTSを受験する場合、会場の大きさやスピーカーとの距離によって、聞き取りやすさに違いが出てくるかもしれません。
TOEFLとIELTSの比較③:スピーキング
TOEFL | IELTS | |
制限時間 | 17分 | 11~14分 |
試験形式 | パソコンでの録音形式 | 試験官との1対1のインタビュー形式 |
問題数 | 4問 | 3問 |
問題形式 |
Independent Task:1問 |
パート1: 自己紹介と短い質問(4~5分) パート2: 身近なテーマについてのスピーチ(3~4分) パート 3: 質疑応答形式のディスカッション(4~5分) |
TOEFLではヘッドホンから聞こえてくる質問に対し、制限時間内にマイクに向かって回答を録音するという形式です。
コンピューターが相手ですので、質問を聞き返したり、制限時間を超えて長く話したりということはできません。
一方、IELTSでは試験官と1対1の面接形式で試験を行います。
したがって、試験形式が独特なTOEFLのスピーキングテストと比較すると、IELTSのほうがやりやすいと感じる人のほうが多いのではないでしょうか。
また、問題の内容についても、IELTSはどちらかというと日常会話に近いトピックが多く、回答しやすいと思います。
それに対しTOEFLでは、日本語でもとっさには答えづらいと感じるようなアカデミックな内容の質問が多いです。
さらに、TOEFLにはIntegrated Task(複合問題)という形式の難問があるのも特徴です。
これは、「リスニング音声を聞いたり文章を読んだりしたうえで自分の考えを話す」という形式の問題であり、英語の総合力が試される難問です。
これらの理由から、スピーキングテストに関しては総じてTOEFLのほうが難しいといえるでしょう。
TOEFLとIELTSの比較④:ライティング
TOEFL | IELTS | |
制限時間 | 50分 | 60分 |
問題数 | 2問 | 2問 |
問題形式 | Integrated Task: 文章を読み、音声を聞いて、それに対する回答を入力する(150~225語) Independent Task:個人的な意見や経験についての作文(300語以上) |
タスク1: グラフ、表、図の要約と説明(150語以上) タスク2: 一般時事に関する意見、論点、問題についてのエッセイ(250語以上) |
ライティングはどちらも2問、制限時間は1時間程度となっています。
しかし、問題形式はTOEFLとIELTSで大きく異なります。
TOEFLでは、先ほど説明したIntegrated Task(複合問題)がライティングでも出題されます。
ここでは、文章を読み、それに関するレクチャーを聞いたうえで、内容に関して文章でまとめるというスタイルの問題となっており、スピーキングと同じく非常に難易度が高くなっています。
一方、IELTSではグラフやチャートを説明し、分析する問題があるのが特徴です。
グラフの説明ではよく使われる表現が決まっており、事前に対策をしておけばスムーズに書くことができます。
しかし、IELTSのライティングは全体的に採点が辛口であり、スラスラと書くことができたと思っていても、実際の点数はあまり高くなかったということもあります。
そのため、ライティングセクションを比較すると、書きやすいのはIELTSですが、点数を伸ばしやすいのはTOEFLだといえます。
TOEFLとIELTSの違い③:難易度
ここでは、TOEFLとIELTSの2つの試験について、難易度の観点から比較していきます。
単語の難易度
試験内で使われる単語の難易度だけでいえば、TOEFLのほうが難易度が高いといえます。
TOEFLのリーディングやリスニングではかなり学術的な内容が問われることが多く、そのため学術用語・専門用語を覚えている必要があります。
例えば、環境問題についてのリーディング問題があるとしたら、「Global warming(地球温暖化)」や「Acid rain(酸性雨)」といった基本的な単語に加え、TOEFLでは「Irrigation(灌漑)」や「Overgrazing(過放牧)」などの難しい単語も出題されます。
IELTSでもアカデミックなトピックの文章を読むことはあるものの、全体的にTOEFLほど専門的な単語が出題されることはありません。
そのため、単語レベルという観点で比較すると、TOEFLのほうが難易度が高いといえます。
TOEFL/IELTSのスコアをTOEICスコアに換算すると?
ここでは、TOEFL/IELTSのスコアをTOEICスコアに換算すると何点になるかについて解説していきます。
文部科学省の資料とTOEICの運営団体であるIIBCの資料をもとに、CEFR(ヨーロッパ共通言語参照枠)という枠組みを使って、3つの試験の点数を比べていきます。
CEFRを基準とした場合、TOEFL/IELTSとTOEICの点数は以下のような対応になります。
CEFR | TOEFL | IELTS | TOEICリスニング | TOEICリーディング |
C2 | 8.5-9.0 | |||
C1 | 95-120 | 7.0-8.0 | 490~ | 455~ |
B2 | 72-94 | 5.5-6.5 | 400~ | 385~ |
B1 | 42-72 | 4.0-5.0 | 275~ | 275~ |
A2 | 110~ | 115~ | ||
A1 | 60~ | 60~ | ||
A1未満 |
例えば、TOEICでリスニング、リーディングともに400点、全体で800点のスコアを持っている人の英語力は、TOEFLに換算すると72~80点程度、IELTSに換算すると5.5~6.0程度といえます。
海外留学の目安となるスコアはTOEFLでは70~90点、IELTSでは5.5~6.5程度となっていますので、海外留学に行くためにはTOEICで800点程度の力が求められることが多いということです。
またこの表にあるように、TOEICやTOEFLではCEFRのC1(準ネイティブレベル)までしか測定することができないのに対し、IELTSではC2(ネイティブレベル)まで測定することができます。
このことから、満点を取ろうとする場合、TOEFLよりIELTSのほうが難易度が高いと考えられます。
難易度が高いのはどっち?
上の表で示したように、TOEFLとIELTSはどっちも高得点を取るのは難しい、ハイレベルな試験であるといえます。
そのため、どっちの試験のほうが難易度が低いということは、一概には言えません。
しいていうなれば、
・単語力に自信がある
・パソコンの操作やタイピングに不安がない
という方にとってはTOEFLのほうが難易度が低く、
・イギリス英語が苦手でない
・対人の英会話が得意だ
という方にとってはIELTSのほうが難易度が低いといえるでしょう。
TOEFLとIELTS、どっちを受験する?
ここまで、TOEFLとIELTSの難易度や受験料、問題形式の違いについて比較してきましたが、いかがだったでしょうか?
様々な違いがある2つのテストですが、どっちの試験も読む・聞く・書く・話すの4技能全てが試される、ハイレベルな試験です。
目標のスコアを取得するためには、しっかりと対策をして試験にのぞむ必要があります。
とはいえ、限られた時間の中で4技能をまんべんなく伸ばすのは難しいこと。
最短で確実に目標スコアを達成するためには、自分の課題が何で、それを克服するためには何が必要なのかを正しく理解した上で学習する必要があります。
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参考文献
ETS公式サイト, TOEFL iBT®テスト内容, https://www.ets.org/jp/toefl/test-takers/ibt/about/content
IELTS公式サイト, テスト内容, https://ieltsjp.com/test-guide/ielts-test-format/
グローバルスタディ海外留学センター, TOEFLとIELTS、どちらを受験すべきか?, https://www.global-study.jp/scholar/test_comparison.html
文部科学省, 各資格・検定試験とCEFRとの対照表, https://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/30/03/__icsFiles/afieldfile/2019/01/15/1402610_1.pdf
IIBC, TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表, https://www.iibc-global.org/toeic/official_data/toeic_cefr.html
娘が海外留学をしたがっているのですが、留学の要件にTOEFL80点かIELTS 6.5点が必要だそうです。2つの試験の違いをあまり分かっていないのですが、どっちを受験するのが良いのでしょうか?