三人称単数現在のs・esってなに?
「三人称単数現在のs」「三単現のs」とは、英語の文法のルールの一つです。文中の主語が三人称単数で、動詞の時制が現在の場合、動詞の語尾に三単現のsまたはesがつきます。とはいえ、定義は説明できても、三単現のs/esに単語の区別の方法はあるのか、会話で間違えると意味は通じるのか、などなど疑問はつきませんよね。
それでは、三単現のs/esについてもう少し詳しく説明していきましょう。
「三単現」という言葉のなぜ?
なぜ「三単現」と呼ばれているのでしょうか?「三単現」とは、「三人称単数現在」を短く略した呼び方です。「三人称単数現在」とは、3つの単語がくっついた言葉です。
三人称+単数+現在
三人称と単数は、文の中の主語の条件を表しています。現在は、文の中の動詞が現在形である、ということです。つまり、「三人称単数現在」とは、文の主語が三人称・単数で、動詞が現在形であるという状態です。
三人称・単数・現在、それぞれの単語の意味を詳しく見ていきましょう。
三人称とは?
人称とは主語の種類のことです。
・話す人(speaker)
・聞く人(addressee)
・話す人・聞く人以外
の3つを区別するために使われます。
それぞれ次のように呼ばれています。
話す人=一人称
聞く人(話す相手)=二人称
話す人・聞く人以外=三人称
英語にすると、以下のようになります。
一人称 | I ・we |
二人称 | you |
三人称 | I・we・you 以外 |
つまり三人称とは、I (we) と you 以外が主語になる状態を指します。
お気づきの方もいるかもしれませんが、英語の主語のほとんどは三人称ということになります。
単数とは?
単数とは、「1つ(1人)」の人や物を意味する単語です。
以下の文の主語はすべて単数です。
①A book is on the desk.
(1冊の)本が机の上にあります。
②She is my friend.
彼女は私の友人です。
③Water is running.
水が流れています。
〇説明
①のbook(本)は数えられる名詞でaをつけて単数として使われています。
②のshe(彼女は)は代名詞ですね。これも1人を指す単数です。
③のwater(水)は、数えられない名詞なので①のbookのようにaはついていませんが、単数です。数えられないものを表す単語はすべて単数扱いとなります。
現在とは?
英語では、現在・過去・未来などの時制を、動詞の形を変えて表します。動詞には主にbe動詞と一般動詞がありますが、三人称単数現在形は一般動詞のみ適用されるルールです。現在形には、習慣や不変の事柄など意味がいくつかありますが、三単現のs/esに関しては、意味の違いは関係ありません。
三人称単数現在が3つそろうと?
三人称・単数・現在
それぞれの言葉の意味を説明しましたが、もう一度「三人称単数現在形」を簡潔にまとめてみます。
✓主語が I (we) と you 以外
✓主語が1人または1つ
✓動詞(一般動詞のみ)の時制が現在
上のすべての条件が揃うとき、動詞に、三単現のsまたはesをつけます。なぜこんな面倒なルールがあるの?と思われるかもしれませんね。実は昔の英語は、主語によって四種類の動詞の語尾変化があったそうです。三単現のsなどのルールは、昔の英文法の名残だと言われています。昔は今よりもっと難しかった、と思えば少しあきらめもつきますね。
三人称単数現在のs・esのなぜ?
では次に、三人称単数現在形のすべての条件が揃うときにつける三単現のsとesについて解説していきます。まず「s・es」をつける場所ですが、動詞の語尾につけ足します。
例文を見ていきましょう。
Tom lives in New York.
トムはニューヨークに住んでいます。
まず三単現であるかどうか確認します。
✓Tom → I と you 以外(三人称)
✓Tom → 一人(単数)
✓live(s)→ 一般動詞の現在
すべての条件が揃っているので、上の文の動詞に三単現のsまたはesをつけます。ここで注意したいのは、sまたはesという部分です。上の文のliveにはsをつけましたが、ではなぜsがつくのかesがつくのかを区別することができるのでしょうか?
三単現のsとesの付け方のルールを説明します。
「es」がつく動詞
s・x・ch・sh・oで終わる動詞
s・x・ch・sh・oで終わる動詞には、語尾に三単現の「es」をつけます。
(例)
miss→misses
kiss→kisses
fix→fixes
catch→catches
push→pushes
go→goes
子音+yで終わる動詞
子音のあとにyで終わっている動詞は、yをiにかえて三単現の「es」をつけます。
(例)
study→studies
try→tries
cry→cries
play などのように、yの前が母音の場合はそのまま「s」をつけ plays となりますので、 ご注意ください。
「s」がつく動詞
上記の「es」がつく単語(子音+yで終わる単語も含む)以外の動詞は、語尾に三単現のsをつけます。
(例)
read→reads
sing→sings
know→knows
take→takes
例外のhave
ただし、haveは例外です。
have→has
上のように変化するので気をつけましょう。
三人称単数現在の否定文と疑問文のなぜ?
「三人称単数現在」は、否定文・疑問文では、三単現のsやesはつきません。なぜ「s・es」はつかないのでしょうか?
三人称単数現在の否定文
三単現の文の否定文では、〈does not〉を使い否定の意味を表します。
この「does」は助動詞です。助動詞に続く動詞は必ず原型になるため、三単現のs・esのついていた動詞を原型にもどす必要があるのです。
例文を見てみましょう。
My brother plays tennis..
私の弟はテニスをします。
上の文を否定文にすると、
My brother does not play tennis..
私の弟はテニスをしません。
となります。
否定文ではplaysの三単現のsがなくなり、does notのあとにはplayの原型がきています。助動詞といった文法的な表現が苦手な人は、三単現の否定文は「s・es」がつかず動詞の原型をつかう、と覚えておいてください。
三人称単数現在の疑問文
疑問文においても否定文と同じで、助動詞としての「does」を使って疑問の意味を作ります。
ですので、助動詞に続く動詞は三単現のs・esなどをつけない原型を使います。
例文を見てみましょう。
He goes to the park after school.
彼は放課後その公園に行きます。
上の文を疑問文にすると、
Does he go to the park after school?
彼は放課後その公園に行きますか?
となります。
肯定文ではついていた三単現のsがなくなり、go になりましたね。こちらも、文法的に考えるのが得意ではない人は、疑問文では三単現の「s・es」がつかず動詞の原型を使う、と覚えてください。
まとめ
いかがでしたか?
三人称単数現在について、少し理解いただけたでしょうか?
三単現のs・esをテストで間違えると、もちろん減点の対象となります。
では、日常英会話で三単現のsを忘れると、相手に言いたいことが伝わらないのでしょうか?
答えは、、
もちろん伝わります!
ただ、三単現のような基本的な文法を間違えてしまうと、残念ながら少し教養のない人のような印象を与えてしまうこともあります。ですので、三単現のsなどの基本的な文法は、できればきちんと身につけておきたいですね。